米国と欧州で新薬承認申請を提出
第一三共株式会社は1月9日、同社の抗凝固剤(経口FXa阻害剤)であるエドキサバンについて、非弁膜症性心房細動(AF)に伴う脳卒中および全身塞栓症の発症抑制、ならびに、深部静脈血栓症(DVT)、肺塞栓症(PE)患者における静脈血栓塞栓症(VTE)の治療および再発抑制に関する適応で、米国食品医薬品庁(FDA)に対し、新薬承認申請を行ったと発表した。
また、同様の適応症において、欧州医薬品庁(EMA)に対しても、販売承認申請を1月8日に行ったという。日本においては、2013年12月19日に承認申請が提出された。
それぞれの承認申請は、国際共同試験として実施したENGAGE AF-TIMI 48試験、およびHokusai-VTE試験の結果に基づいて行われている。
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米国ではSAVAYSAの商品名で販売予定
エドキサバンは、酵素トロンビンの生成過程に関わる血液凝固第X因子(FXa)を阻害することで、血液を固まりにくくする作用をもつ活性化血液凝固第X因子阻害薬。日本国内初となる経口薬のFXa阻害薬で、注射剤に比べ煩わしさがなく、患者の負担も軽減されるとしている。また、ワルファリンよりも効果の発現が早く、頻回な検査が不要となること、注射剤のFXa阻害薬に比べ、薬価を抑えられるといったメリットもあり、ひろく有望視される薬剤となっている。
ENGAGE AF-TIMI 48試験は、非弁膜症性心房細動患者21,105人を対象に、エドキサバン60mg、または30mg(1日1回服用)とワルファリンについて、有効性と安全性を検証した。無作為化二重盲検比較で2.8年にわたり観察し、有効性に関する主要評価項目の「脳卒中および全身性塞栓症の発症抑制」でエドキサバンのワルファリンに対する非劣性が示されたほか、安全性に関する主要評価項目の「重大な出血の発現」では、エドキサバンの優越性が確認されたという。
Hokusai-VTE試験では、急性症候性深部静脈血栓症(DVT)と肺塞栓症(PE)の患者8,292人を対象に、エドキサバン60mg(1日1回服用)とワルファリンで比較を実施。無作為化二重盲検で12カ月追跡したところ、静脈血栓塞栓症の再発抑制で、エドキサバンのワルファリンに対する非劣性が示されたほか、重大な出血または臨床的に重要な出血の発生に関する項目では、エドキサバンの優越性が確認されたとしている。
発表によると、米国では承認取得後「SAVAYSA(TM)」の商品名で販売する予定という。欧州における商品名に関しては言明されていない。(紫音 裕)
▼外部リンク
第一三共株式会社 ニュースリリース(米国承認申請)
http://www.daiichisankyo.co.jp/news/detail/006064.html
第一三共株式会社 ニュースリリース(欧州承認申請)
http://www.daiichisankyo.co.jp/news/detail/006061.html