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テゼペルマブ、コントロール不良重症ぜんそく対象P3試験で増悪抑制-英AZほか

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2020年11月18日 PM12:00

主要有効性評価項目は52週の治療期間でのAAER

英アストラゼネカ社とアムジェン株式会社は11月17日、新薬候補tezepelumabについて、コントロール不良の重症ぜんそく患者対象のNAVIGATOR第3相試験の良好な結果を発表した。同試験の結果は、今後の医学系の学術集会等において発表が予定されている。

第2b相PATHWAY試験をさらに拡充し、第3相PATHFINDERプログラムにはNAVIGATOR試験およびSOURCE試験の2つの試験が含まれた。同プログラムは、実施中の追加のメカニズム試験と長期安全性試験を含む。

NAVIGATOR試験は、経口ステロイド薬(OCS)併用の有無を問わず、中用量もしくは高用量の吸入ステロイド薬(ICS)に、少なくとももうひとつのぜんそくコントロール薬を加えた治療を受けていた成人(18~80歳)および青年期(12歳~17歳)のコントロール不良の重症ぜんそく患者を対象とする第3相無作為化二重盲検プラセボ対照試験。同試験では、血中好酸球数が高い被験者(300/㎕以上)と低い被験者(300/㎕未満)がほぼ均等に割り付け登録され、5~6週のスクリーニング期間、52週の治療期間および12週の追跡期間により構成された。試験期間中、全被験者がそれぞれに処方されていたぜんそくコントロール薬の投与に変更はなかった。

主要有効性評価項目は52週の治療期間での年間ぜんそく増悪率(AAER)。主な副次的評価項目には呼吸機能、ぜんそくコントロールおよび健康に関連する生活の質に対するtezepelumabの効果が含まれていた。

TSLPを阻害するtezepelumab、広範な重症ぜんそく治療が可能な可能性

Tezepelumabは、複数の炎症カスケードの上流で主要な上皮細胞サイトカインであり、重症ぜんそくに伴うアレルギー性、好酸球性または他のタイプの気道炎症の発現および持続に不可欠な胸腺間質性リンパ球新生因子(TSLP)の作用を阻害するファースト・イン・クラスのヒト型モノクローナル抗体薬の候補。

TSLPは、アレルギー誘発物質、ウイルスおよび他の浮遊微小粒子を含むぜんそく増悪を引き起こす複数の誘発物質に反応して放出される。TSLPの発現はぜんそく患者の気道中で増加し、ぜんそくの重症度と相関している。TSLP阻害により免疫細胞からの炎症性サイトカインの放出が予防される可能性があり、その結果、ぜんそく増悪が予防されぜんそくコントロールが改善されると考えられている。Tezepelumabは炎症のカスケードの上流に対して作用するので、炎症のタイプに関わらず、広範な重症ぜんそく患者を治療できる可能性を有しているという。

標準治療へのtezepelumabの追加療法、AAERを低減

NAVIGATOR試験の結果、標準治療(SoC)へのtezepelumabの追加療法が、SoCへのプラセボの追加療法に対し、52週間にわたり患者集団全体で統計学的に有意かつ臨床的に意味のあるAAERを低減することが示され、主要評価項目を達成。SoCとはOCS併用の有無を問わず、中用量もしくは高用量ICSに、少なくとももうひとつのぜんそくコントロール薬を加えた治療を指す。

ベースライン時の血中好酸球数が300/㎕未満の被験者からなるサブグループにおいても、tezepelumabは統計学的に有意かつ臨床的に意味のあるAAERの低減を実証し、同試験はその主要評価項目についても達成した。AAERの同様の低減はベースライン時の血中好酸球数が150/㎕未満の被験者からなるサブグループにおいてもみられたという。

また、tezepelumabは、重症ぜんそく患者における良好な忍容性を示した。初期段階での解析においては、tezepelumab群とプラセボ群との間において臨床的に意味のある差異がないことが示されている。

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