富士フイルム富山化学は23日、新型コロナウイルス感染症を対象とした抗インフルエンザ薬「アビガン錠」(一般名:ファビピラビル)の国内第III相試験で主要評価項目を達成したと発表した。国内製薬企業が新型コロナウイルス感染症を対象とした第III相試験で主要評価項目を達成するのは初めて。同社は、来月にもアビガンの一部変更承認申請を行う予定で、承認されればレムデシビル、デキサメタゾンに続く3番目の治療薬となる。
アビガンは、新型・再興型インフルエンザの流行時に他の抗インフルエンザウイルス薬が効かない場合、使用が検討される医薬品。同社は3月に、人工呼吸器や酸素療法が不要な肺炎を罹患する入院患者156例を対象に第III相試験を開始。アビガン投与群とプラセボ投与群に割り付け、被験者には割り付けられた薬剤を知らせずに投薬して比較する単盲検試験で実施。体温や酸素飽和度、胸部画像での症状軽快とウイルスの陰性化までの時間を主要評価項目として検討した。