医療従事者の為の最新医療ニュースや様々な情報・ツールを提供する医療総合サイト

QLifePro > 医療ニュース > 医療 > 熊本大 GANP分子がHIVウイルスの感染を阻止する酵素をウイルス中枢へ運び込むことを発見

熊本大 GANP分子がHIVウイルスの感染を阻止する酵素をウイルス中枢へ運び込むことを発見

読了時間:約 52秒
このエントリーをはてなブックマークに追加
2013年12月28日 AM06:00

熊本大学の前田助教らが発見

熊本大学は12月16日、GANP分子がHIVウイルスの感染能力を消失させ破壊する酵素を、ウイルスの中枢へ運び込むことを発見したと発表した。

(画像はプレスリリースより)

これは、熊本大学大学院 生命科学研究部 感染免疫学講座 免疫学分野の前田和彦助教、Sarah Ameen Almofty大学院生、阪口薫雄教授らによるもの。研究グループは、GANP分子がCD4陽性ヘルパーT細胞内で増加し、HIVウイルス内に感染能力を消失させる分子であるシチジン脱アミノ化酵素のAPOBEC3Gを送り込むことを発見したという。

CD4陽性ヘルパーT細胞の活性化により

GANP分子はリンパ節内の増殖が活発な領域で発現上昇する分子として、2000年に同研究グループが発見した。これまでCD4陽性ヘルパーT細胞内での機能の報告はなかったが、今回の研究でCD4陽性ヘルパーT細胞の活性化によってGANP分子が増加し、APOBEC3Gをウイルスの中枢まで運び込むことができることが確認された。

今回の研究成果はウイルスの感染能力を消失させる分子を効率良くHIVウイルスに送り込むことを可能とする。これによりHIVウイルスを破壊し、感染を阻止することができる。(小林 周)

▼外部リンク

熊本大学 プレスリリース
http://www.kumamoto-u.ac.jp/daigakujouhou/kouhou/pressrelease

このエントリーをはてなブックマークに追加
TimeLine: ,
 

同じカテゴリーの記事 医療

  • 加齢による認知機能低下、ミノサイクリンで予防の可能性-都医学研ほか
  • EBV感染、CAEBV対象ルキソリチニブの医師主導治験で22%完全奏効-科学大ほか
  • 若年層のHTLV-1性感染症例、短い潜伏期間で眼疾患発症-科学大ほか
  • ロボット手術による直腸がん手術、射精・性交機能に対し有益と判明-横浜市大
  • 前立腺がん、治療決定時SDMが患者の治療後「後悔」低減に関連-北大