厚生労働省は「平成22年度の社会医療診療行為別調査結果の概況」を発表した。
この調査は、
を目的として行われているもの。
なお、調査には抽出された平成22年6月審査分のレセプトが用いられ、医科342,698 件、歯科28,536 件、調剤71,996 件の明細書が集計されている。
まず、医科診療についてみてみると、入院における1件当たり点数は45,781.9 点。前年比、2,173.4点、5.0%もの増加をみせた。
1件あたり点数で前年比で最も増加率をみせたのは、「リハビリテーション」(22.6%増)、次に「手術」(10.4%増)、そして「初・再診」(6.6%増)と続いた。
入院外における1件当たり点数は1,293.8点で、前年に比べ44.9 点、3.6%増加。一方で、入院における1件当たり点数は、一般医療44,633.0点、後期医療47,030.6点となった。
次に、歯科診療をみてみると、1件当たり点数は1,296.1点で、前年比は2.7点、0.2%の小幅な増加にとどまった。
診療行為別での増加率は、「リハビリテーション」が最も高く、104.4%。次に、「放射線治療」が37.4%増、そして「病理診断」が27.0%増となった。また、1件当たり点数の内訳は、一般医療1,248.6 点、後期医療1,571.8 点となっている。
入院外における院外処方率は、総数で62.8%で前年比0.8%の増加。一方で、薬局調剤については、1件当たり点数は 1,013.5点で、前年比 18.7点、1.8%減となっている。
減少率を牽引したのは「薬剤料」で、3.6%減であった。なお、1件当たり点数の内訳は、一般医療 885.2点、後期医療 1,380.2点。年齢階級別では、年齢が高くなるにつれて点数が高くなることが分かった。
平成22年度は、診療報酬改定や大きな制度改正などがなかったため、全体的に自然な動きとなったようだ。
また、医科の院外処方率の数値は、日本薬剤師会が調査する処方箋受取率の動向ともほぼ一致しており、医薬分業の進展を伺わせる結果となった。来年度の動向にも、引き続き注目したい。
▼外部リンク
厚生労働省:平成22年度の社会医療診療行為別調査結果の概況
http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/sinryo/tyosa10/