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慢性心不全治療薬「エンレスト」発売-ノバルティス

読了時間:約 1分34秒
2020年08月27日 AM11:15

RAASの過剰な活性化を抑制、内因性のナトリウム利尿ペプチド系を増強し、神経体液性因子のバランス破綻を是正

ノバルティス ファーマ株式会社は8月26日、アンジオテンシン受容体ネプリライシン阻害薬(ARNI)「(R)錠」(一般名:サクビトリルバルサルタンナトリウム水和物)について、「慢性心不全 ただし、慢性心不全の標準的な治療を受けている患者に限る」を効能・効果として発売したと発表した。


画像はリリースより

エンレストは、有効成分としてネプリライシン阻害作用をもつサクビトリル、およびアンジオテンシン受容体拮抗薬(ARB)であるバルサルタンを1:1のモル比で含有する単一の結晶複合体。同剤は、心不全の病態を悪化させる神経体液性因子の一つであるRAASの過剰な活性化を抑制するとともに、RAASと代償的に作用する内因性のナトリウム利尿ペプチド系を増強し、神経体液性因子のバランス破綻を是正する。、ARBなどの心不全治療薬は、過剰に活性化したRAASによる有害な影響を抑制するにとどまる。

エンレストは、米国およびEUを含む世界100か国以上で承認されている。米国では、収縮不全を伴う心不全(NYHAクラスII~IV)患者の治療を適応としており、欧州では、成人の左室駆出率が低下した症候性慢性心不全を適応として承認されている。

、急性増悪を反復することで徐々に重症化する場合が多い

心不全は、国内の急性・慢性心不全診療ガイドラインにおいて、「なんらかの心臓機能障害、すなわち、心臓に器質的および/あるいは機能的異常が生じて心ポンプ機能の代償機転が破綻した結果、呼吸困難・倦怠感や浮腫が出現し、それに伴い運動耐容能が低下する臨床症候群」と定義されている。多くの場合、慢性・進行性に経過し、急性増悪を反復することにより徐々に重症化する。

心不全にはさまざまな分類基準が存在しており、その病態には左室機能障害が関与していることが多く、診療ガイドラインでも左室収縮能による分類が多用されている。左室収縮能による分類では左室駆出率(LVEF)により分類されており、中心的なものはLVEFが低下した心不全(、LVEF40%未満と定義)、およびLVEFの保たれた心不全(、LVEF50%以上と定義)になる。

なお、今回発売したエンレストの日本国内における医療従事者への情報提供活動については、共同プロモーション契約に基づき、ノバルティス ファーマと大塚製薬株式会社が実施する。

 

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