世界エイズ・結核・マラリア対策基金(世界基金)の増資会議が開催
2013年12月2日と3日の二日間、米国ワシントンDCにて世界エイズ・結核・マラリア対策基金(世界基金)の「第4回増資会議」が開催された。この会議の目的は、世界基金が2014~16年に途上国において行う、エイズ・結核・マラリアの三大感染症対策のための資金を集めること。これらの感染症対策の成果を大きく前進させるために必要な金額として、150億ドルという目標金額が設定されていた。
(画像はWikiメディアより引用)
各国の拠出表明金額
増資会議で各国が拠出を表明した金額の合計は、120億ドルだった。その内訳は、米国が50億ドル、英国16億ドル、フランス15億ドル、日本8億ドルなど。ナイジェリアが3000万ドルの拠出を表明するなど、一部の発展途上国も積極的な拠出表明を行ったという。
日本の8億ドルについての評価は
日本では市民グループなどが中心となり、2度の多剤耐性結核を克服したフィリピン人のミルドレッド・フェルナンド氏を招聘。三大感染症と闘う人の生の声を伝える集中キャンペーンを行うなど、三大感染症対策への日本政府の積極的な貢献を促す努力を行ったという。国境なき医師団は、市民グループのこうした努力が、今回の日本の拠出表明につながったものと評価している。
しかし一方で国境なき医師団は、8億ドルという金額は日本の経済規模や国力に比して必ずしも十分ではないと考え、
日本のGDPは世界のGDPの8%であるところ、経済規模からいえば、本来、150億ドルの目標額を基準にすれば12億ドルの拠出が必要でした。フランス・英国などが、日本の2倍近い金額の拠出を誓約していることから考えても、私たちは、市民社会として、日本の拠出額は十分ではなかったと指摘せざるをえません。(国境なき医師団 プレスリリースより引用)
と述べており、日本に国力に見合った最大限の貢献を求めている。(鈴木ミホ)
▼外部リンク
国境なき医師団(MSF)日本 プレスリリース
http://www.msf.or.jp/news/detail/pressrelease