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認知症の行方不明、 人口集中地域ほど起こりやすくその後の死亡率が低い-国循

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2020年07月01日 AM10:45

日本での認知症の行方不明発生率、その後の死亡率を調査

国立循環器病研究センターは6月30日、日本における認知症の行方不明発生率と行方不明後の死亡率を推計し、認知症の行方不明は人口集中地域ほど起こりやすく、一方で行方不明後の死亡は人口集中地域ほど少ないことを示したという研究結果を発表した。これは、同センター西村邦宏予防医学・疫学情報部長、竹上未紗EBM・リスク情報解析室長、村田峻輔 派遣研修生(日本学術振興会特別研究員PD)らの研究グループによるもの。研究成果は日本疫学会が発行する学術雑誌「Journal of Epidemiology」に掲載されている。


画像はリリースより

認知症患者の増加に伴い、認知症患者の行方不明の発生件数も増加している。認知症の行方不明は本人が困るのみならず、家族にも大きな負担となる。加えて、認知症患者の行方不明後の電車との接触事故が訴訟問題となるなど社会的にも問題となっている。しかし、認知症の行方不明発生率、その後の死亡率は報告されていない。また、日本での地域差やどのような要因と関連しているのかは明らかになっていない。

認知症の行方不明発生率は10万人年あたり21.7、/介護福祉施設の数が多いと起こりにくい

分析には、都道府県ごとに集計されたデータを用いた。認知症の行方不明の発生、その後の死亡と関連する要因については、人口集中地区人口割合や人口10万人当たりの保健師数などとの関連を調べた。

結果、40歳以上での認知症の行方不明発生率は、10万人年あたり21.7、行方不明後の死亡率は10万人年あたり0.652だった。認知症の行方不明は、人口が集中している都道府県(都会)ほど起こりやすく、一方で行方不明後の死亡は人口が集中している都道府県(都会)は少ないことを示した。また、認知症の行方不明は保健師の数が多い都道府県、介護福祉施設の多い都道府県ほど起こりにくいことが明らかとなった。

研究の結果は、認知症の行方不明発生やその後の死亡を予防・予測するのに役立つ可能性がある。一方で、「研究は地域ごとに集計されたデータを用いた分析(エコロジカル研究)であり、分析手法に限界がある。今後は、個人単位ごとのデータを用いたより詳細な分析が必要だ」と、研究グループは述べている。

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