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製品評価技術基盤機構、次亜塩素酸水、コロナに有効-「十分な濃度と使用量」が前提

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2020年06月29日 AM10:15


■NITEが最終報告

製品評価技術基盤機構(NITE)は26日、新型コロナウイルスに有効な消毒法について、新たに2種類の純石けん分と有効濃度35‌ppm以上の次亜塩素酸水が有効との最終報告をまとめ公表した。議論を呼んでいる次亜塩素酸水の有効性をめぐっては、北里大学の検証でウイルス不活化が認められず、検討委員会において検証を継続していたが、最終的に「濃度の濃い」次亜塩素酸水を「十分量」使用することにより、新型コロナウイルスの消毒に有効と結論づけた。

NITEは、新型コロナウイルスの感染拡大に対応し、家庭や職場におけるアルコール以外の消毒法の選択肢を増やすため、4月に検討委員会を設置。消毒法の有効性について評価を進めてきた。

その結果、これまでに家庭用洗剤に含まれる界面活性剤として、▽直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム(0.1%以上)▽アルキルグリコシド(0.1%以上)▽アルキルアミンオキシド(0.05%以上)▽塩化ベンザルコニウム(0.05%以上)▽塩化ベンゼトニウム(0.05%以上)▽塩化ジアルキルジメチルアンモニウム(0.01%以上)▽ポリオキシエチレンアルキルエーテル(0.2%以上)――の7種類をウイルスの不活化に有効と判断していた。

今回、さらに国立感染症研究所、北里研究所など協力機関と共同で進めていた新型コロナウイルスを用いた検証試験の結果、新たに2種類の純石けん分(脂肪酸カリウム0.24%以上、脂肪酸ナトリウム0.22%以上)がウイルスの不活化に有効と判断された。

また、これまでの検証でウイルスの不活化効果が明確に認められなかった次亜塩素酸水については、電解型、非電解型のいずれも有効塩素濃度35‌ppm以上、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウムを水に溶かしたものについては、有効塩素濃度100ppm以上であれば有効と判断した。

最終的に、十分な濃度の次亜塩素酸水であれば新型コロナウイルスの不活化に有効とされたが、NITEは次亜塩素酸水の利用に当たって、消毒しようとする物品についている手垢や油脂などの汚れを予め除去した上で、浸すぐらいの十分な量を使用することに注意が必要としている。

具体的な次亜塩素酸水による消毒、除菌方法ついては、家庭での拭き掃除に使用する場合は有効塩素濃度80‌ppm以上のもの、汚れがひどい場合は200ppm以上が望ましいと推奨している。流水でかけ流す場合は有効塩素濃度35‌ppm以上が望ましいとしている。

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