国立国際医療研究センターは5月29日、新型コロナウイルス感染症の重症患者に対する有効性を確認するため、新たに抗ウイルス薬「レムデシビル」とヤヌスキナーゼ(JAK)阻害薬「バリシチニブ」を併用する国際共同治験の第二弾に参加したことを明らかにした。レムデシビルの国際共同治験の中間解析結果で、回復までの時間が短縮されたことも報告した。新たな試験では、サイトカインストームが重症化に関与していると見て、約1032人を対象にレムデシビルとバリシチニブを併用投与するプラセボ対照試験を実施する計画だ。
■国内でも先週から開始
同センターはこの日、新型コロナウイルス感染症に対するレムデシビルの国際共同治験の中間解析結果を公表した。それによると、レムデシビル投与群538人、プラセボ投与群521人の患者データを解析したところ、レムデシビル群では回復までに11日、プラセボでは15日かかり、レムデシビルを投与された患者は回復までの時間が31%短縮されたことが分かった。そのため、「統計学的に有意な差が見られた」と判断した。