日本医師会COVID-19有識者会議のウェブサイトで公開
新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は5月14日、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に特化した症例検索エンジンを開発し、日本医師会COVID-19有識者会議のウェブサイトへ2020年5月3日に公開したと発表した。NEDOは、業界横断型人工知能(AI)システムの開発と業界共用データ基盤の開発を通じて、国内企業にとどまらない幅広いデータ連携による価値創出の促進を目的に「Connected Industries推進のための協調領域データ共有・AIシステム開発促進事業」を推進している。株式会社プレシジョンは同事業の助成先で、自治医科大学はその共同研究先となっている。
画像はリリースより
COVID-19は人類が初めて経験する疾患であり、多くの症例報告を収集し、わかりやすく整理したうえで患者の傾向を分析することが急務だ。すでに日本感染症学会のウェブサイトには「COVID-19症例提示」が掲載されており、貴重な情報が提供されているが、非専門家が症例報告の情報を活用するためには、個々の報告の文脈と臨床所見の関係性をわかりやすく表示する必要があった。
医療関係者の情報共有や診断・治療法の開発に貢献
今回、日本感染症学会の了解を得て同学会ウェブサイトに掲載されている症例報告の中から、著者の許諾を取れた約70症例の報告を構造化して整理し、開発中のアルゴリズムを用いて検索エンジンを作成。症例の文脈をたどり、生じたイベントの時系列と、医学用語の関係を図示することで、COVID-19症例の可視化と、簡単な分析が可能となった。
COVID-19の克服には、医療の専門家と非専門家が協力して、試行錯誤を繰り返す必要がある。医学知識を構造化、デジタル化した今回のデータベースは今後、新型コロナウイルス対策に取り組む医療関係者の情報共有に活用され、COVID-19克服を補助するツールとして、診断・治療法の開発に貢献することが期待される。
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