研究成果は有用性を示唆
タカラバイオ株式会社は、「レトロネクチン(R)誘導Tリンパ球療法」に関する臨床研究の成果を、12月5~6日に岩手県盛岡市で開催された第26回日本バイオセラピィ学会学術集会総会において発表した。
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この臨床研究は、タカラバイオと京都府立医科大学が2009年4月から実施してきた、がん免疫細胞療法に関するもの。標準治療後の残存、あるいは再発症例で手術・放射線治療による根治性のある治療の対象にならない消化器がん・肺がん9例に対し、2週間間隔で2回の細胞投与を行った。主要評価項目は安全性、副次的評価項目は筋腫瘍縮小効果。
研究データを解析した結果、レトロネクチン誘導Tリンパ球療法の有用性が示唆されたという。
今後も臨床開発進める
レトロネクチンは、タカラバイオが開発したヒトフィブロネクチンと呼ばれる分子を改良した組み換えタンパク質。リンパ球培養時に用いることで効率良く培養を行うことを可能とし、また増殖した細胞には、がん治療効果の高いナイーブT細胞が多く含まれるという。
タカラバイオは、レトロネクチンについてすでに特許を取得し、国内の医療機関に対しレトロネクチン誘導Tリンパ球療法を行う技術支援を行っている。今後もより治療効果の高いがん細胞免疫療法の臨床開発を進めていくと、ニュースリリースでは述べられている。(小林 周)
▼外部リンク
タカラバイオ株式会社 ニュースリリース
http://www.takara-bio.co.jp/news/