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メラトベル、小児期の神経発達症に伴う入眠困難の改善で承認-ノーベルファーマ

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2020年03月27日 AM11:30

日本初のメラトニン受容体作動性入眠改善剤

ノーベルファーマ株式会社は3月25日、(R)顆粒小児用0.2%(一般名:メラトニン) について、小児期の神経発達症に伴う入眠困難の改善を効能又は効果とし、製造販売承認を取得したと発表した。

睡眠覚醒リズムは、自律神経や内分泌機能を調節する体内時計によって制御されている。メラトニンは体内時計の情報を伝えるホルモンの一種で、夜になるとその分泌量が増え、眠気を引き起こす「催眠作用」と、明るくなると光の刺激で分泌が低下し、日中の活動に合わせて体内の環境を整える「睡眠・覚醒を含む概日リズムの維持・調整」を担っている。また、メラトニンは、古くから知られているホルモンで、一部の国ではサプリメントとしての販売が認可されている。近年、適正使用の面から医療用医薬品としての提供を望む声が国内で高まっていた。

同剤は、生体内ホルモンと同一の化学構造式を持つメラトニンを有効成分とする、日本初のメラトニン受容体作動性入眠改善剤。神経発達症に伴う入眠困難の小児を対象とした国内臨床試験において、入眠困難の改善に対する有効性および安全性が示されている。

ASDで50~80%、ADHDで25~50%が睡眠障害

神経発達症の小児では、定型発達児と比べて睡眠障害の合併率が高いとの報告や、神経発達症群の中でも自閉スペクトラム症では50~80%、注意欠如・多動症では25~50%の割合で睡眠障害が併存するという報告がある。神経発達症に伴う睡眠障害の臨床では、慢性的な睡眠不足と不規則な睡眠覚醒リズムの問題にとくに注意を要する。入眠困難による睡眠不足は、神経発達症の多動や過活動、興奮症状といった症状を強める可能性があり、不規則な睡眠覚醒リズムは、日中は目覚めていても体調が悪く、夕方にむけて比較的元気になり、夜は興奮して眠ろうと思っても寝付けないという悪循環を招くとされる。

しかし、これまで国内において「小児期の神経発達症に伴う睡眠障害」に対する医療用医薬品は承認・販売されていなかったことから、同社は2013年から同剤の開発を開始した。なお、2019年1月に日本小児神経学会より厚生労働大臣宛に、神経発達症に伴う睡眠障害に対するメラトニンの早期承認についての要望書が提出されている。

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