公正取引委員会は5日、降圧剤「カルバン錠」(一般名:ベバントロール塩酸塩)の販売に関してカルテルを結んだ疑いで、鳥居薬品に対し独占禁止法の規定に基づき、排除措置命令と287万円の課徴金納付命令を行った。日本ケミファと共同販売するカルバン錠について、医薬品卸へ納入する仕切価を両社で取り決めていたとして、不当な取引制限の禁止を規定した独禁法第3条に違反するとした。一方、日本ケミファに対しては、立ち入り検査前に違反行為の自主申告があったこと、再発防止策を既に構築していることを理由に、排除措置命令や課徴金納付命令が免除された。
公取委は昨年7月、日本ケミファによる違反行為の自主申告を受け、日本ケミファ本社と関係拠点、鳥居薬品の本社に立ち入り検査を行っていた。調査を行った結果、両社は薬価改定で見直されるカルバン錠の仕切価に関して情報交換を行っており、遅くても2014年3月からは仕切価の低下を防止し、自社の利益を確保することを目的に、2社の仕切価を合わせることに合意していた。