患者ごとに高画質な内視鏡手術動画などを一元記録
富士フイルム株式会社は2013年11月25日、内視鏡部門における検査ワークフロー管理や画像の管理、所見作成を行う内視鏡情報管理システム「NEXUS」(ネクサス)に、動画保管・管理に関する追加機能を搭載した新バージョン「NEXUS」V2.4を、富士フイルムメディカル株式会社を通じて、12月1日より発売すると発表した。
「NEXUS」は、医療機関の内視鏡部門における受付・検査・データ参照・レポートなどの複雑な業務をIT化し、患者の取り違え防止やルーティン業務負担の軽減を実現するシステム。メーカーを問わず、すべての内視鏡装置から出力される検査画像を高画質で保管できるオープンシステムを採用しているほか、レポートの作成支援、病院全体の医用画像情報システム、電子カルテとの連携を可能なものとするという。
(画像はプレスリリースより)
ニーズ高まる手術動画の記録・管理
従来、システムでは検査中に内視鏡医が撮影した静止画のみが記録・管理されていたが、近年はポリープ除去や内視鏡的粘膜剥離術(ESD)等の手術が増加しており、手術動画の記録・管理へのニーズが高まっている。
こうしたニーズの高まりの一方で、内視鏡手術動画は、内視鏡の検査観察モニタに表示される手術動画をビデオカメラで撮影したり、アナログ信号出力を経てDVDデッキなどで録画したりといった方法がとられており、患者ごとの管理や画質維持の面で課題が多かった。
一部を切り出してPCやタブレットでの閲覧も可能
今回の「NEXUS」V2.4では、こうした課題を解決することができるという。内視鏡手術の際、静止画管理と同様に患者情報や検査情報をその動画ファイルに付与したうえでサーバに保存するため、患者ごとに高画質な手術動画を一元管理することが可能だ。
さらに、5分以内の動画であれば、本体サーバに記録し、院内配信を含めた参照環境の提供も可能という。なお、5分を超過する動画については、部門内の専用ネットワークにより構築された外部記憶装置NAS上に保存し、Viewerで参照、編集することができる。
また、オプションソフトウェアおよびハードウェアを使用すれば、保存された手術動画から、必要な部分のみを切り出し、パソコンやタブレット端末などに保存、閲覧することもできる。エビデンス管理や医師の育成、患者への説明や学会発表等、さまざまな場面で大いに活用できるだろう。(紫音 裕)
▼外部リンク
富士フイルムメディカル株式会社 ニュースリリース
http://fms.fujifilm.co.jp/news/articlenr_131125.html