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2型糖尿病の「隠れ肥満症」、CT同様にインピーダンス法でも判定可能-国循

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2019年12月23日 AM11:45

腹部CTとインピーダンス法で内臓脂肪測定を行った患者98人を解析

国立循環器病研究センターは12月19日、2型糖尿病患者で簡便に判定できる「隠れ肥満症」が、・脂質異常症の合併と関連していることを発見したと発表した。この研究は、同センター糖尿病・脂質代謝内科の大畑洋子医師、孫徹医長、細田公則部長らの研究グループによるもの。研究成果は「Cardiovascular Diabetology」電子版に掲載された。


画像はリリースより

外見からは肥満だとわからない場合であっても、腹腔内に脂肪が蓄積する内臓脂肪蓄積型の肥満のことを、俗に「隠れ肥満症」と呼ぶ。体脂肪の蓄積と比べて、心筋梗塞や脳梗塞などの動脈硬化性疾患関連していることが報告されており、改善すべき病態とされる。

これまで隠れ肥満症の判定は、腹部CTを用いて、へその位置で内臓脂肪面積を測定することが必要だった。しかし、近年開発された簡便な内臓脂肪測定機器を用いて、インピーダンス法により簡単に計測ができるようになった。この検査法は、微量な電流を使用するため、体に余分な水分が溜まっているような状態(心不全や、腹水貯留、むくみなど)では正確に測ることができない。動脈硬化性疾患を起こしやすい2型糖尿病患者においても、内臓脂肪蓄積型肥満の有無を調べることは重要だが、同機器を用いて調べられるかどうか、よくわかっていなかった。そこで、研究グループは、2011年10月~2012年9月までに糖尿病脂質代謝内科に入院し、腹部CTとインピーダンス法で内臓脂肪測定を行った患者98人(男性73人、女性25人)について解析した。

将来の動脈硬化性疾患の発症を予想できるか検討を続ける

CTとインピーダンス法による内臓脂肪面積の関連を検討した結果、体に余分な水分の貯留が疑われるBNP100pg/ml以上の患者では、CTに比べてインピーダンス法での内臓脂肪が低値だった。水分の貯留がインピーダンス法に影響を及ぼしている可能性が考えられたため、このような患者を除いたうえで、CTとインピーダンス法による内臓脂肪面積の関係を解析したところ、高い相関関係があり、両者は同様に内臓脂肪面積を測定できていたという。次に、高血圧・脂質異常症の合併との関連を見たところ、この2つの方法による内臓脂肪面積は、同じように高血圧と脂質異常症の合併と関連していたことがわかった。

これらの結果から、インピーダンス法は、2型糖尿病患者においてCTと同様に内臓脂肪蓄積型の肥満の有無を調べられることが明らかとなった。研究グループは、インピーダンス法によって測定した内臓脂肪面積が、将来の動脈硬化性疾患の発症を予想できるかどうか、検討を続けていくとしている。また、隠れ肥満症をコントロールすることで、その後の脳梗塞や心筋梗塞などの病気の発症がどの程度予防できるか、新たな知見につながると考えられると述べている。

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