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北大 幼少期の光が概日リズム障害を回復することを発見

読了時間:約 1分
2013年12月03日 AM06:33

光環境の概日リズムへの影響を検証

北海道大学は11月21日、遺伝性概日リズム障害が幼少期の連続照明で回復することが明らかになったと発表した。

(この画像はイメージです)

睡眠・覚醒などの1日を1単位として繰り返される現象を概日リズムと呼び、体内時計がこれを作り出している。体内時計中枢は脳内にあるが、概日リズムを作り出している時計遺伝子のひとつであるCryptochrome(Cry)が欠損すると、授乳期の体内時計で見られた概日リズムが離乳頃には消失することが分かっている。

この研究は、環境遺伝子の影響を受けて脳が発育をするメカニズムに着目し、遺伝性概日リズム障害に光環境がどのように作用するかを調べたもの。生後発達に伴う光環境が遺伝子変異による概日リズムの破綻にどのように影響するかが検証された。

概日リズム回復には幼少期の光が重要

Cryを欠損させたマウスを出生直後から連続照明下に暴露し、さらに離乳後3週間まで連続照明下で飼育を行った後に恒常暗に移行した。離乳後から赤外線センサーで行動量を測定したところ、行動リズムが回復したことが明らかになったという。また、成長後の連続照明は、概日リズム障害を抑制しなかったとしている。

今後への期待として、プレスリリースでは

本研究は、遺伝的要因における睡眠障害が幼少期の環境変化により回復する事を示した結果であり、睡眠・覚醒リズムを含めた概日リズム障害の新たな治療法の開発に結び付くことが期待できます。(北海道大学 プレスリリースより引用)

と述べられている。(小林 周)

▼外部リンク

北海道大学 プレスリリース
http://www.hokudai.ac.jp/news/

 

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