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バイエル薬品 MRI用造影剤マグネビストの長期臨床使用データを発表

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2013年11月15日 PM08:58

1億2千万症例の臨床使用経験に基づく医薬品安全性モニタリング成績を発表

バイエル薬品株式会社は11月5日、MRI用造影剤「マグネビスト(R)」(ガドペンテト酸メグルミン)について、世界各国の長期にわたる臨床使用データを発表した。このデータは、日本磁気共鳴医学会の英文誌である「Magnetic Resonance in Medical Sciences」オンライン版に10月29日付で掲載されている。

「マグネビスト」は世界で初めて臨床応用可能となったMRI用造影剤で、日米欧での同時発売から、今年25周年を迎えている。今回バイエル薬品が行った解析は、主に欧米および日本において「マグネビスト」が投与された推定1億2千万症例の臨床使用経験に基づく医薬品安全性モニタリング成績で、膨大なデータにおける有害事象に関する自発報告を集積したものだという。

(この画像はイメージです)

重篤有害事象発生は世界で10万症例につき2.8件

重篤な有害事象報告件数は、全世界での23年間累計で3,326件(10万症例につき2.8件)。そのうち日本では387件(10万症例につき2.9件)、米国では1,657件(10万症例につき2.8件)、欧州で826件(10万症例につき2.2件)となっている。

非重篤な有害事象の報告件数は、全世界で17,287件(10万症例につき14.4件)で、もっとも一般的に報告された事象としては、悪心、蕁麻疹、嘔吐、皮疹・紅斑・発疹および掻痒であるとされている。

適正使用情報の浸透により腎性全身性線維症発現は急速に減少

2006年にガドリニウム系造影剤との関連性が初めて報告された腎性全身性線維症(NSF:nephrogenic systemic fibrosis)についてだが、今回の研究では、2006年の10万回投与につき0.02例から、2009年には10万回投与につき0.30例へ増加したものの、その後2011年には10万回投与につき0.01例ヘ減少、そのほとんどの症例が米国からのものであったという。

駒澤大学医療健康科学部診療放射線技術科学科の吉川宏起教授は、NSF発症のリスク因子が周知されたことにより、発生率が減少したとの見方を示している。

また、世界的なNSFの発症時期別の解析では、2009年以降新たな「マグネビスト」に関連した発症報告はなく、日本でも2006年から2011年のあいだに報告されたNSF症例の調査では、該当ケースは他のガドリニウム製剤も使用されたもののみで、マグネビストのみの投与歴で「関連あり」とされた報告はなかったという。

バイエル薬品では今回の研究データ結果をうけ、「マグネビスト」は長期の安全性プロファイルおよび有効性プロファイルが確認されている唯一のMRI用造影剤であり、このデータからは医療従事者及び患者の役に立つと思われる有用な処方情報が得られるとしている。(紫音 裕)

▼外部リンク

バイエル薬品株式会社 ニュースリリース
http://byl.bayer.co.jp/html/press_release/2013/

Magnetic Resonance in Medical Sciences 該当研究報告
Safety of Gadopentetate Dimeglumine after 120 Million Administrations over 25 Years of Clinical Use
https://www.jstage.jst.go.jp/article/

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