医療従事者の為の最新医療ニュースや様々な情報・ツールを提供する医療総合サイト

QLifePro > 医療ニュース > 医療 > 標的タンパク質分解誘導に関する共同研究契約を締結-エーザイと英ダンディー大

標的タンパク質分解誘導に関する共同研究契約を締結-エーザイと英ダンディー大

読了時間:約 1分10秒
このエントリーをはてなブックマークに追加
2019年07月10日 PM12:30

PROTACs研究の世界的第一人者とタッグを組み革新的新薬の創出へ

エーザイ株式会社は7月8日、英国・スコットランドのダンディー大学と、がん領域創薬研究における標的タンパク質分解誘導薬(Proteolysis Targeting Chimeras:PROTACs)に関する共同研究契約を締結したことを発表した。

この共同研究は、PROTACs研究の世界的第一人者であるダンディー大学School of Life SciencesのAlessio Ciulli教授が中心となって推進される。同教授の研究室の、PROTACsに関する世界最高水準の専門知識・技術に、同社のがん領域における探索研究および臨床開発経験、ならびに標的タンパク質分解誘導に関する基礎研究の知見を組み合わせることにより、革新的新薬の創出を目指す。

従来の低分子阻害剤とは異なる薬理作用も期待される

PROTACsは、タンパク質に親和性を有する2つの分子を共有結合で1分子にした薬剤。一方はユビキチン化酵素(E3リガーゼ)と結合し、もう一方は分解すべき標的タンパク質に結合する。これにより、PROTACsはE3リガーゼを介して標的タンパク質に分解の目印となるユビキチンを付加し、細胞内分解システムにより標的タンパク質の分解を促す。PROTACsは標的タンパク質の分解により薬理作用を発現する。従来の低分子阻害剤では難しかった、酵素活性を持たないタンパク質を標的にできるだけでなく、阻害剤とは異なる薬理作用も期待される。

同契約に基づき、同社は共同研究の成果として得られた化合物について、開発および商業化に関するオプション権を保有する。オプション権を行使する場合、同社は同大学に対して、契約一時金、マイルストンペイメントおよび売上に応じたロイヤルティを支払うことになっている。

このエントリーをはてなブックマークに追加
 

同じカテゴリーの記事 医療

  • 加齢による認知機能低下、ミノサイクリンで予防の可能性-都医学研ほか
  • EBV感染、CAEBV対象ルキソリチニブの医師主導治験で22%完全奏効-科学大ほか
  • 若年層のHTLV-1性感染症例、短い潜伏期間で眼疾患発症-科学大ほか
  • ロボット手術による直腸がん手術、射精・性交機能に対し有益と判明-横浜市大
  • 前立腺がん、治療決定時SDMが患者の治療後「後悔」低減に関連-北大