処方の増加が見られる漢方薬 その実態を調査
近年、科学的・医学的解明が進み、「エビデンスに基づいた医薬品」としての認知が広まっている漢方薬。なかでもがん治療の領域において、その傾向が顕著であり、実際の処方例も増加しているようではあるが、その理由や実態についてはあまり明らかになっていなかった。そこでQLifeは、漢方薬の処方実態に関する調査を実施。この調査は、10月21~23日にインターネット調査で行われ、年間20例以上のがん治療を行っている医師、159人を対象とした。
(画像はニュースリリースより)
がん治療医の2/3が副作用軽減目的で漢方薬を処方
その結果、対象となったがん治療医の2/3、101人ががん治療の副作用軽減の目的で、漢方薬を処方したと回答。そのうち半数は「3年前に比べて処方する漢方薬の数が増えた」とし、使用パターンの幅が広がっていることが明らかになった。
主な処方目的としては、「手足のしびれ」「吐気・嘔吐」「食欲不振」「倦怠感・疲れ」といった副作用軽減。「牛車腎気丸」」「補中益気湯」「六君子湯」といった漢方薬が回答数上位に挙がっていた。
また、4人に1のがん治療医は、副作用軽減のために「漢方薬の処方が可能か」という質問を患者やその家族から受けており、4割のがん治療医が今後、漢方薬の処方割合が増えると考えていることもわかった。
一方で、漢方薬処方を増やすことへの障害を複数回答してもらったところ、「使う根拠(エビデンス・メカニズム)が不明確」「効果に疑問がる」と回答する挙がり、漢方薬に対するさらなる科学的・医学的解明が望まれていると考えられる結果となった。(QLifePro編集部)
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