がんの新規体外診断薬開発に向けて
独立行政法人国立がん研究センターとシスメックス株式会社は10月28日、新規体外診断薬の共同開発を目的とした包括的連携契約を締結したことを明らかにした。契約は9月1日付けで締結されたという。
契約は、国立がん研究センターで発見されたバイオマーカーや解析技術を活用した、新たな体外診断薬の開発およびその事業化、シスメックス社との相互交流による両者の研究開発活動の活性化を目指したものだ。
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新規バイオマーカー開発促進、個別化医療推進へ
発表によると、近年注目を集め、世界でも多くの研究が進行中のバイオマーカーは、現在罹患している疾病やその病態、すでに行った治療の影響を診断するだけでなく、将来罹患することが予測される疾病、その病態、これから実施する治療の効果や副作用といった影響を予測するものとしての臨床応用が期待されており、これによって、個々の患者に最適化した個別化医療を実現できると考えられている。
将来的には、国立がん研究センターで開発した、がんに罹りやすい人を発見するバイオマーカーや早期発見のためのバイオマーカー、経過を予測するバイオマーカー、治療影響を予測するバイオマーカーなどを両者によるステアリングコミティーで審査し、共同研究を実施、シスメックス社で生み出した体外診断薬を国立がん研究センターで評価することまで視野に入れているという。
国立がん研究センターとシスメックス社は、これまでも個別の研究開発などで協力関係を築いてきたが、今後はこの契約のもと、有望な体外診断薬を早期に開発し、がん患者の待つ現場に一日も早く届けられるよう、より緊密に共同開発を進めていくとしている。(紫音 裕)
▼外部リンク
独立行政法人国立がん研究センター プレスリリース
http://www.ncc.go.jp/jp/information/
シスメックス株式会社 プレスリリース
http://www.sysmex.co.jp/news/press/2013/