月経、基礎体温、妊娠経過などに関するビッグデータを専門家が解析
国立成育医療研究センターは5月23日、同センター分子内分泌研究部の鳴海覚志室長、社会医学研究部の森崎菜穂室長らのグループが、「ルナルナ」を運営する株式会社エムティーアイとともに、女性ヘルスケア・ビッグデータ解析における共同研究を開始すると発表した。
これは、子どもを望む女性達の妊娠・出産の実現や、それぞれの女性に最も適した健康管理支援no
解明と、女性のヘルスケア領域において新たな知見の創出を目的に行うもの。ルナルナに記録されている月経・基礎体温・妊娠経過などの女性の健康データを活用し、国立成育医療研究センターおよび、共同研究施設が臨床医学・社会医学の観点から統計解析、結果解釈などを行うという。
女性ヘルスケアの身近な疑問、妊娠経過、出生時体格の要素解明を目指す
ルナルナは、体調管理から妊娠・出産・育児までをサポートするサービスで、スマートフォンやタブレットで利用可能なアプリを中心としている。これまでに月経周期と排卵日のビッグデータを解析し、従来定説とされてきたオギノ式をベースに、独自の予測ロジックを確立するなどの研究実績があり、より精度の高い排卵日予測や「仲良し日(妊娠可能性の高い日)」の提供を行うことで、利用者のセルフ妊活を支援。実際に、現在ルナルナのサービス上では年間約27万人から妊娠報告があるなど、サービスを通じて利用者の妊娠をサポートしている。
今回の研究では、月経、基礎体温、妊娠経過、出産および出生児の状態の記録など、ルナルナに蓄積されているデータのうち、量や質に関して一定基準を満たした最大50万人分の匿名化処理済みデータについて、国立成育医療研究センターで、産婦人科医と医学研究者から成るチームが統計解析、結果解釈、成果公開などを実施。これまで十分なデータがなかった「月経周期は年齢によりどう変化するのか?」「妊娠しやすさに影響を与える要素は何か?」など、女性ヘルスケアの身近な疑問や、妊娠経過・出産結果・出生時体格に関して、どのような要素がどのように関係しているのか、解明を目指すとしている。
なお、同研究において自身のデータ提供を希望しない場合、改めて利用規約の該当部分における同意の撤回が可能。
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・国立成育医療研究センター プレスリリース