厚生労働省は17日、日本イーライリリーの抗癌剤「ベージニオ錠」(一般名:アベマシクリブ)について、昨年11月末の販売開始後半年間で、間質性肺疾患の国内症例が14件、そのうち死亡に至った症例が3件、市販直後調査で報告されたことから、添付文書の「使用上の注意」の改訂と安全性速報(ブルーレター)で医療関係者に速やかに注意喚起するよう同社に指示した。同剤との因果関係が否定できない死亡例1件では、乳癌に罹患した50歳代女性が投与後、間質性肺炎等を発症して死亡したことが確認されている。厚労省は、市販直後調査の結果を踏まえ、「注意喚起をより徹底することが必要」と判断し、今回の対応に踏み切った。
ベージニオ錠は、ホルモン受容体陽性かつHER2陰性の手術不能または再発乳癌を効能・効果として、昨年11月30日から販売され、使用患者数は約2000人と推定されている。