最新進捗状況を発表。通関手続き等で遅れ
株式会社メドレックスは10月23日、同社の消炎鎮痛貼付剤「ETOREAT」(Etodolac Patch)の米国における第3相臨床試験(試験番号1009)に関し、現在の進捗状況について発表を行った。
同社は、10月2日発表の「米国におけるETOREAT第3相臨床試験開始届提出のお知らせ」において、被験者への投与開始を2013年11月上旬としていたが、この臨床試験で用いる治験薬の米国通関手続き等に想定以上の時間を要したため、遅れが生じているという。
よって、被験者への投与開始を2013年11月下旬以降に変更する見込みとなったとしている。
(この画像はイメージです)
独自経皮吸収型製剤技術「ILTS」を用いたエトドラクテープ剤
「ETOREAT」はメドレックスが現在開発中の貼付剤で、腰を対象部位とした第3相臨床試験を米国で行う準備を進めている。
同社グループでは、薬物をイオン液体化する、あるいはイオン液体に薬物を溶解することにより、その薬剤の経皮浸透性を飛躍的に向上させることができるという、イオン液体の特徴を利用し、独自の経皮吸収型製剤技術「ILTS(R)」を、最重要プロジェクトとして位置づけ、開発してきた。
「ETOREAT」はこの「ILTS」を活用した初の完成製剤で、エトドラクのテープ剤。エトドラクは、非ステロイド系消炎鎮痛剤に分類されるもので、疼痛及び炎症の経口治療薬として世界で幅広く使用されている。貼付剤としての開発は世界初の試みであり、メドレックスの100%子会社である、米国マサチューセッツ州のIL Pharma Inc. を拠点に開発を進めている。メドレックスによると、現地CROなどと連携しながら、軽度から中等度の急性疼痛を適応症として、米国食品医薬品局(FDA)による医療用医薬品としての製造販売承認を取得することを目指しているという。
米国における軽度から中等度の疼痛に対する医療用貼付剤は、1999年にヘルペス後神経痛治療剤として上市され、適応外使用として用いられていると考えられる「Lindoderm」と、2007年に軽度から中等度の急性疼痛治療剤として上市された「Flector」の2品目がある。これら2品目はいずれも含水製剤であり、非含水製剤の薄型で1日1回タイプとなる「ETOREAT」が上市されれば、その利便性などにより、ベスト・イン・クラスの製品として、患者のQOL向上にも寄与し、市場シェアを獲得できると同社は見込んでいる。(紫音 裕)
▼外部リンク
株式会社メドレックス プレスリリース
http://contents.xj-storage.jp/contents/45860/T/