FGFR2融合遺伝子を有する切除不能な胆道がんが対象
エーザイ株式会社は4月8日、同社が創製し、経口投与可能な新規抗がん剤として開発中の線維芽細胞増殖因子(FGF)受容体(FGFR1、FGFR2、FGFR3)選択的チロシンキナーゼ阻害剤「E7090」について、FGFR2融合遺伝子を有する切除不能な胆道がんに対する治療を対象に、厚生労働省の「先駆け審査指定制度」の対象品目に指定されたと発表した。
胆道がんは5年相対生存率が約20%と、膵がんに次いで予後の悪い難治がん。他のがんと比較して薬物療法の選択肢も限られており、アンメット・メディカル・ニーズは非常に高い。FGFR2融合遺伝子は、胆道がんの15~30%を占める肝内胆管がんの約14%に認められている。
FGFRに素早く強力に結合し、高い選択性を示す
FGFRの遺伝子異常はがん細胞の増殖、生存、遊走、腫瘍血管新生、薬剤耐性などに重要な役割を果たしていることが知られている。また、さまざまながん腫においてFGFRの遺伝子異常が認められていることから、そのシグナルの阻害剤は、がん治療の有望な分子標的薬として注目されている。
「E7090」は、線維芽細胞増殖因子受容体(FGFR)であるFGFR1、FGFR2、FGFR3に対して選択的阻害活性を示す経口投与可能な、エーザイ筑波研究所創製の新規チロシンキナーゼ阻害剤。同剤は、従来の既知のFGFR阻害剤と異なり、ジメトキシフェニル基を持たない基本構造を有し、速度論的解析実験からFGFRに素早く、強力に結合し、かつ高い選択性を示すユニークな結合様式(タイプV)によるキナーゼ阻害作用により、抗腫瘍効果を現すことが推察されている。
(QLifePro編集部)
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・エーザイ株式会社 ニュースリリース