米国においても申請済み
第一三共株式会社は4月4日、ペキシダルチニブ(CSF-1R阻害剤)について、腱滑膜巨細胞腫(TGCT)に係る販売承認申請が、欧州医薬品庁(EMA)にて受理されたことを発表した。
申請は、TGCT患者を対象とした欧米での第3相臨床試験(ENLIVEN試験)の結果に基づくもので、米国においても申請済み。ENLIVEN試験結果(主要評価項目を達成)の詳細は、2018年6月に開催された「米国臨床腫瘍学会(ASCO)2018」で発表された。
手術による腫瘍切除不可なTGCT患者の、新たな治療選択肢として
TGCTは、痛みや動作の制限を伴う良性の腫瘍。関節の内側の組織が、炎症や異常増殖を起こすという特徴をもつが、現在は手術による腫瘍の切除以外に有効な全身療法がない。
CSF-1R阻害剤は、EMAよりTGCT治療を対象に、希少疾病用医薬品(Orphan Drug)指定を受けている。この指定は、医療上の必要性が高いにもかかわらず、患者数が少ないことにより、十分にその研究開発が進んでいない状況を踏まえ、安全かつ良質な医薬品を一日も早く医療の現場に提供することを目的に、EMAが開発を支援・促進する制度。同指定を受けた本剤は、手術による腫瘍切除ができず、ほかに満足な治療法のないTGCT患者へ新たな治療選択肢を提供できるものとして、期待されている。
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・第一三共株式会社 ニュースリリース