医療従事者の為の最新医療ニュースや様々な情報・ツールを提供する医療総合サイト

QLifePro > 医療ニュース > 行政・経営 > 胆管がん遺族が労災申請へ、厚労省は時効凍結の方針

胆管がん遺族が労災申請へ、厚労省は時効凍結の方針

読了時間:約 1分3秒
このエントリーをはてなブックマークに追加
2012年07月18日 PM09:00
時効凍結の方針

大阪や宮城などの印刷会社の元従業員らが相次いで「」を発症し死亡した問題で、全国で労災認定の請求が相次いでいることから、13日厚生労働省は、全国の労働局に時効を理由に請求を門前払いしないよう指示し時効を凍結する方針を打ち出した。

この問題は、大阪市の校正印刷会社の元従業員らに胆管がんが多発し13人が発症し、7人が死亡したことで明るみになり、宮城、東京、静岡、石川などでも計18人が胆管がんを発症し、9人が亡くなっている。

胆管がんを発症した元従業員はいずれも印刷見本を刷る校正印刷作業に従事しており、死亡した7人のうち、5人は2006年以前に亡くなっていたが、印刷機の洗浄剤に含まれる化学物質「1,2-ジクロロプロパン」「ジクロロメタン」が発症の原因として指摘されたのは今年に入ってからだった。

因果関係を明らかに

労働者災害補償保険法では、休業補償給付などは2年、死亡した場合の遺族給付などは5年で時効としていたが、業務と胆管がんの因果関係が明らかになった場合時効の起算点が変更されるため厚労省は各労働局に指示を出した。

大阪の印刷会社では、防毒マスクを着用せず使用していたことが判明しており、発症年齢が25~45歳と非常に若く、発症率は日本人平均の約600倍と高かった。

厚労省では、今後も専門家によるチームで疫学的調査を行い、胆管がんとの因果関係を明らかにし、その結果によって時効の起算点を決定するとした。

19日には時効を過ぎた元従業員4人の遺族が労災申請する。

▼外部リンク

/報道発表資料
「胆管がんに関する一斉点検結果の取りまとめ等について」
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000002ez6b.html

このエントリーをはてなブックマークに追加
 

同じカテゴリーの記事 行政・経営

  • 【福岡厚労相が会見】ラグ・ロスの解消に意欲-官民一体で取り組む課題
  • 【安定確保策会議】承認書と相違44%で確認-後発品自主点検結果を公表
  • 【薬局団体連絡協議会】「リスト化で会員増」2割-地域薬剤師会の再編提言
  • 【消費者庁部会】紅麹問題でGMP指針改正-微生物原材料の食品対象
  • 【エーザイ】レカネマブ欧承認勧告-ApoEε4ホモ接合を除外