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レンボレキサント、国内での不眠障害治療薬として新薬承認申請-エーザイ

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2019年03月11日 AM11:45

AD・認知症に伴うISWRDを対象としたP2試験も実施中

エーザイ株式会社は3月7日、睡眠と覚醒を調整する不眠障害治療薬「レンボレキサント(開発コード:E2006)」について、日本において新薬承認申請書を提出したことを発表した。

レンボレキサントは、エーザイ創製の新規低分子化合物。オレキシン受容体の2種のサブタイプ(1および2受容体)に対し、オレキシンと競合的に結合する拮抗剤だ。

不眠障害に係る適応では、今回の日本における新薬承認申請のほか、米国において、2018年12月27日に米国食品医薬品局()に新薬承認申請書を提出済み。また、軽度、中等度アルツハイマー病/認知症に伴う不規則睡眠覚醒リズム障害()を対象とした臨床第2相試験を実施中である。

既存薬と比較し有意に優れた結果に

今回の申請は、合計約2,000人の不眠障害患者を対象に実施した2つのピボタル臨床第3相試験であるSUNRISE1試験(304試験)およびSUNRISE2試験(303試験)、さらに夜間覚醒時の姿勢安定性(転倒リスクの予測因子)および翌朝の自動車運転能力について検討した主要な安全性試験(106試験、108試験)などに基づくもの。

SUNRISE1試験は、睡眠維持困難を伴う55歳以上の不眠障害患者1,006人(全症例の約45%は65歳以上)を対象に、ゾルピデム酒石酸塩徐放性製剤との比較により、レンボレキサント(5mg、10mg)の有効性および安全性を評価した。就床から入眠までの時間(睡眠潜時、主要評価項目)、睡眠効率および睡眠時間後半部分の中途覚醒時間(睡眠維持効果、副次評価項目)について、睡眠ポリグラフ検査法により客観評価した結果、同剤群は、主要評価項目ならびに主な副次評価項目について、6.25mg群およびプラセボ群に対して有意に優れていることが確認された。また、有害事象による試験中止率は、同剤両群ともプラセボ群と同様で、観察された主な有害事象は、頭痛と傾眠だった。

SUNRISE2試験は、日本を含むグローバルにおいて、入眠困難、睡眠維持困難のいずれかまたはその双方を伴う18歳から88歳の不眠障害患者949人を対象に、長期の有効性および安全性を評価した。最初の6か月は、レンボレキサント(5mg、10mg)またはプラセボを投与し、睡眠潜時(主要評価項目)、睡眠効率および中途覚醒時間(副次評価項目)について、電子睡眠日誌を用いて患者様の主観評価により評価。6か月時点の解析の結果、同剤両群は、有効性に関する主要評価項目およびすべての副次評価項目を達成し、投与6か月における入眠および睡眠の維持について、プラセボ群と比較して統計学的に有意な改善が確認された。有害事象による試験中止率は、同剤5mg群はプラセボ群と同様であったが、同剤10mg群はより高頻度だった。また、両群で観察された主な有害事象は、傾眠、頭痛、インフルエンザだった。

レンボレキサントは、オレキシン神経伝達に作用し、外部刺激による目覚めには影響することなく、覚醒を制御することによって睡眠と覚醒を調整すると考えられている。不眠障害をはじめとする睡眠覚醒障害治療薬としての開発が行われており、今後、新たな治療選択肢として期待が寄せられている。

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