使用中止と回収を発表、原薬メーカーの製造段階で混入か
沢井製薬株式会社は3月4日、同社製品のエカベトNa顆粒66.7%「サワイ」について、使用中止と回収のお知らせを同社ホームページに掲載した。
エカベトNa顆粒66.7%「サワイ」は、2008年7月より沢井製薬が発売している胃炎・胃潰瘍治療剤。今回、同製品について、同社では取り扱いのないアセタゾラミドが、ごく微量混入しているとの情報提供があったという。アセタゾラミドは1958年8月に販売開始された薬で、現在も緑内障など多様な疾患に使用されており、ドーピング禁止薬物に指定されている。
同社は情報提供に基づき、アセタゾラミドが原薬メーカーの製造段階で混入したのではないかと考え、調査を実施。結果が判明するまでの間、同製品の使用を中止するよう呼び掛けるとともに、万全を期すために自主回収するとしている。なお、仮にアセタゾラミドが混入していた場合でもごく微量であるため、同製品の有効性・安全性に影響を与えるものではなく、健康被害をおよぼすものではないという。
本件では、エカベトNa顆粒66.7%「サワイ」を服用したレスリング競技者からドーピング禁止薬物であるアセタゾラミドが検出され、ドーピング違反と認定されていた。沢井製薬はこの事態を招いたことを真摯に受け止め、事実関係の調査と誠意をもった対応を行うとしており、ニュースリリースで「皆様に多大なご心配とご迷惑をおかけ致しますこと心より深くお詫び申し上げますと共に、原因究明を進めておりますので、調査結果が分かり次第、速やかに皆様にご報告させていただきます」と述べている。