鼻症状、眼症状、QOLが有意に改善
ノバルティスファーマ株式会社は2月26日、既存治療でコントロール不十分な重症または最重症スギ花粉症患者を対象に、オマリズマブ(遺伝子組換え)を標準治療に上乗せ投与した場合の有効性を検討した国内第3相臨床試験を実施したと発表した。同試験の結果は、米サンフランシスコで開催された第75回米国アレルギー・喘息・免疫学会議(AAAAI)年次総会で、日本医科大学大学院医学研究科頭頸部感覚器科学分野の大久保公裕教授により発表された。
同試験は、ランダム化、二重盲検、プラセボ対照(標準治療に上乗せ)試験。治験薬投与期間は12週間、標準治療として経口抗ヒスタミン薬および鼻噴霧用ステロイド薬を全被験者に投与した。主要評価項目は症状ピーク期の鼻症状スコアの平均値。337名(オマリズマブ群162名、プラセボ群175名)がランダム化され、約98%の患者が治療期間を完了した。主要評価項目である症状ピーク期の鼻症状スコアの平均値の群間差(オマリズマブ群−プラセボ群)は−1.03であり、有意にオマリズマブの鼻症状改善効果が示された(p<0.001)。また、眼症状の改善、QOLの有意な改善が認められた。安全性は良好で、新たな安全性の懸念は認められなかった。
2018年12月に花粉症の適応で承認を申請
オマリズマブ(遺伝子組み換え)は、ヒト化抗ヒトIgEモノクローナル抗体。アレルギー性喘息の治療薬として開発され、国内では成人の気管支喘息治療剤として2009年1月(150mg凍結乾燥製剤)および2012年9月(75mg凍結乾燥製剤)に、小児の気管支喘息治療剤として2013年8月に、また、慢性蕁麻疹治療剤として2017年3月に承認を取得し「ゾレア(R)」として発売されている。
2018年10月現在、世界90か国以上で気管支喘息の治療薬として、また、世界80か国以上で特発性の慢性蕁麻疹の治療薬として承認されている。花粉症の適応については、世界に先駆けて日本で2018年12月6日に承認を申請している。
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・ノバルティスファーマ株式会社 プレスリリース