インスリンや成長ホルモンなどの自己注射に使用
テルモ株式会社は2月25日、世界で最も短くかつ最も細いペン型注入器用ディスポーザブル注射針「ナノパスJr.」を2月21日に発売したと発表した。
画像はリリースより
ナノパスは、インスリンや成長ホルモンなどを自己注射する際に使用する製品で、2005年の発売以降、世界で最も細い針として使用されている。自己注射は、場合によっては1日に数回行う必要がある。これに対しテルモは、短く細い針であれば注射への恐怖心が和らぎ、治療が続けやすくなると考え、「こわくない注射針」をコンセプトに開発を行ってきた。
独自のアシンメトリーエッジで皮膚への挿入がスムーズに
ナノパスJr.は、2012年に発売した同シリーズの「ナノパス34」の針よりも1mm短い3mmとし、小児ややせ型の人など皮膚の薄い患者にも使いやすいように改良した。また、皮膚表面には1cm2あたり100~200個の痛点が分布しているが、世界で最も細い34G(0.18mm)の針にしたことで、痛点に接触する確率を低下させた。
さらに、皮膚への挿入をスムーズにするために、独自の非対称刃面構造(アシンメトリーエッジ)を採用。針を突き刺すのではなく、刀のような鋭い刃先で小さく切るような設計にした。また、薬剤を注入する際の抵抗を抑えるために、外径内径ともに先へ行くほど細くなるダブルテーパー構造を採用。テーパーの角度を緩やかにすることで、針にかかる力を分散し、必要な強度を確保している。
同社は、従来のナノパス34も引き続き販売し、ナノパスシリーズとして、2021年度に年間3億本の販売を目指すとしている。
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・テルモ株式会社 プレスリリース