40~70歳対象の歯周病検診受診率は全国で4.3%と推定
東北大学と株式会社NTTドコモは2月21日、歯周病を発見できるAIの共同開発を実施すると発表した。
画像はリリースより
歯周病は、20歳代で約61%、40歳代で約71%、60歳代で約75%の人に所見が見られ、今後ますます進展する高齢社会に向けて注目が集まっている。歯周病の発見に有効な歯周病検診は、歯科医院などの診察時間内といった限られた場所や時間帯でしか受診することができない。40歳~70歳を対象とした歯周病検診の受診率は全国で4.3%と推定されており、重症化してから歯科にかかることも少なくない。
顎関節症や口腔がんも発見可能なAI目指す
今回の共同研究では、スマートフォンで歯ぐきを撮影するだけで歯周病を発見できるAIを開発する。具体的には、撮影時の手振れや撮影環境の明るさの違いを考慮しながら、歯ぐきの色情報や歯周病独特の形状などを解析し、歯周病のリスクがあるかどうかを判定。この技術を用いることで、利用者は自宅や会社で空き時間に歯周病のリスクを把握し、歯科医師とのコミュニケーションを活性化させるという。これにより、歯周病検診の受診につなげることで重症化を防ぐことが期待される。
今後については、東北大学の口腔疾患に関する専門的見識と、ドコモのAI技術をあわせることで、日常の生活シーンで活用できる歯周病発見AIを確立し、歯周病だけではなく顎関節症や口腔がんなど他の口腔疾患も発見可能なAIとして、2022年度を目途に実用化を目指すとしている。
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・東北大学 プレスリリース