がん罹患数、年齢調整罹患率ともに2014年比で増加
国立がん研究センターは1月17日、「地域がん登録」データを活用し2015年に新たにがんと診断された罹患数・率として算出した数値を公表した。この研究は、厚生労働科学研究費補助金「都道府県がん登録の全国集計データと診療情報等の併用・突合によるがん統計整備及び活用促進の研究」研究班によるもの。毎年作成している冊子は、2018年度末を目処に編集・公表予定。
画像はリリースより
2015年の1年間にがんと診断された症例の推計数は、男510,926人、女380,519人、男女計891,445人と、2014年の男女合計値である867,408人より増加。また、人口10万対の年齢調整罹患率も、男430.9、女313.7、男女計362.2と、2014年の男女計354.6より増加している。
部位別罹患数は、大腸>胃>肺>乳房>前立腺
部位別の罹患数では、男性は胃、前立腺、大腸、肺、肝の順、女性は乳房、大腸、胃、肺、子宮の順(2014年 男:胃、肺、大腸、前立腺、肝、女:乳房、大腸、胃、肺、子宮)で多く、男女計では、大腸、胃、肺、乳房、前立腺の順で多かった。
男性で順位の入れ替わりがあったものの、大腸、肺、前立腺の3部位の罹患数は2011年以降、ほぼ同レベルで推移しており、がん罹患リスクの増減に直接的に関係する変動ではないと考えられるという。
「地域がん登録」は、都道府県のがん対策を目的に1950年代より一部の県で開始され、研究班が各地域がん登録からデータを収集する活動を開始して以降、年々参加都道府県が増加。研究班は、2014年以降は、ほとんどの地域(43地域)が国際精度基準を満たしていることから、高精度地域の罹患数を死亡統計によって補正した推計値ではなく、本来あるべき実測値の合計(合計値)を採用している。また、「全国がん登録方式」でのデータ処理方法に移行したことで、合計値は、より真の罹患数に近づいたと想定され、国際比較が可能となっている。
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・国立がん研究センター プレスリリース