日本初となる「IL-17A」を標的とした強直性脊椎炎治療薬
ノバルティス ファーマ株式会社は12月21日、「コセンティクス(R)」(一般名:セクキヌマブ)について、「強直性脊椎炎」の効能追加の承認を取得したと発表した。
強直性脊椎炎は、多くが40歳以下で発症する、脊椎と仙腸関節を主な病変部位とする慢性炎症性疾患。進行が緩徐で、数十年という長期の治療が必要となる。臨床的な特徴として腰背部痛があり、進行すると脊椎が強直し、日常動作が困難になる。また、患者数が少ないため、指定難病に認定されている。
強直性脊椎炎では、IL-17Aが関連するサイトカイン経路が病態形成に重要な役割を果たしている。コセンティクスは、日本国内で強直性脊椎炎の治療薬として初めてのヒト型抗ヒトIL-17Aモノクローナル抗体製剤となる。
NSAIDで効果不十分な強直性脊椎炎患者への新たな選択肢に
今回の承認は、海外で実施したNSAIDによる治療で効果不十分または忍容性不良な強直性脊椎炎患者(219例)を対象としたプラセボ対照、ランダム化、二重盲検、並行群間比較試験(F2310試験)、国内で実施したNSAIDによる治療で効果不十分または忍容性不良な強直性脊椎炎患者(30例)を対象とした非盲検試験(H1301試験)などに基づいている。
これまで国内で主に使用されてきた強直性脊椎炎の治療薬は、第一選択として非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)であり、NSAIDで効果不十分または忍容性不良な場合には、抗TNF-α製剤が推奨されてきた。新規作用機序のコセンティクスは、第一選択薬であるNSAIDによる治療で効果不十分な強直性脊椎炎患者にとって、新たな治療選択肢となることが期待される。
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・ノバルティス ファーマ株式会社 プレスリリース