未治療を含む「多発性骨髄腫」の効能・効果の追加を申請
ヤンセンファーマ株式会社は12月14日、ヒト抗CD38モノクローナル抗体「ダラザレックス(R)点滴静注100mgおよび同400mg」(一般名:ダラツムマブ(遺伝子組換え))について、未治療を含む「多発性骨髄腫」の効能・効果の追加に係る製造販売承認事項一部変更承認を申請したと発表した。なお、同剤は未治療の多発性骨髄腫において厚生労働省より希少疾病用医薬品に指定されている。
近年、再発または難治性の多発性骨髄腫における治療選択肢は急速な進歩を遂げているもの、未治療患者に対する治療選択肢は依然として限られている。治療により寛解に至ることもあるが、初回治療後も再発する可能性が高いため、新しい治療選択肢の登場が待ち望まれている。
CD38を標的とするモノクローナル抗体
ダラザレックスは、CD38を標的とするモノクローナル抗体。病期にかかわらず多発性骨髄腫細胞の表面に過剰発現するシグナル伝達分子のCD38に結合することによって機能する。CD38に結合すると、抗体依存性細胞傷害(ADCC)、補体依存性細胞傷害(CDC)、抗体依存性細胞貪食(ADCP)およびFcγ受容体結合を介するアポトーシス誘導など、複数の免疫介在性の作用機序によって腫瘍細胞死がもたらされる。また、CD38陽性の免疫抑制性細胞の除去による免疫調節作用も明らかにされており、これらの相乗効果によって優れた抗腫瘍効果を示すと考えられている。
同剤については、造血幹細胞移植を伴う大量化学療法が非適応で未治療の多発性骨髄腫患者を対象に、同剤とボルテゾミブ、メルファランおよびプレドニゾロンとの併用療法(DVMP療法)と、ボルテゾミブ、メルファランおよびプレドニゾロンとの併用療法(VMP療法)の有効性を比較検討した、国際共同第3相試験(MMY3007試験、ALCYONE)が実施されており、日本もこの試験に参加している。米国および欧州においては、「未治療の多発性骨髄腫」を効能・効果として2018年5月、8月にそれぞれ承認されている。
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・ヤンセンファーマ株式会社 プレスリリース