有病率およそ15%の糖尿病患者における皮膚潰瘍
ロート製薬株式会社は10月31日、糖尿病性潰瘍の新たな治療選択肢として期待される自己多血小板血漿(PRP:Platelet-Rich Plasma)療法による創傷治療システム「TKKT01」の治験を開始すると発表した。
日本では糖尿病患者は1000万人、予備軍も含めると2000万人以上いると推測されている。糖尿病の合併症のひとつに糖尿病性潰瘍があり、糖尿病患者における皮膚潰瘍の有病率は15%程度にもおよぶとの報告もある。高齢化に伴い、糖尿病患者は増加傾向であり、その合併症の糖尿病性潰瘍患者も増加が想定されている。糖尿病性潰瘍が重症化すると下肢切断に至ることもあるため、糖尿病性潰瘍の創傷治療を積極的に行い、早期から病態の悪化を防ぐことが重要だ。
PRPを損傷組織に投与、組織の再生を促進
近年、海外ではPRP療法の有用性が報告されており、今回、日本でも新しい治療法としてTKKT01の有効性や安全性などの評価を行う。TKKT01は、既存治療での改善傾向が認められない糖尿病性潰瘍の新たな治療選択肢になることが期待されるという。
PRP療法は、患者から採取した血液から血小板を分離濃縮したPRPを損傷組織に投与することで、PRP中に含まれる高濃度の各種増殖因子の作用により組織の再生を促進する。今回の治験では、既存治療が奏効しない糖尿病性潰瘍患者を対象として、TKKT01の有効性および安全性を検討する。
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・ロート製薬株式会社 プレスリリース