ドイツから、「太りすぎの子どもは算数が苦手になる傾向」という心配な報告がありました。ドイツでは、3歳から17歳の子どもたちの15%が太り気味、6%が肥満とされていて、深刻な問題となっています。
(この画像はイメージです digitalart/FreeDigitalPhotos.net)
ベルリン社会研究学術センターのマルセル・ヘルビック氏らが、子どもたちの成績と体型の関係を分析したところ、肥満の子どもたちでは、算数や数学の成績が低迷していることが多いことが分かりました。
更に細かく調べていくと、女の子では、体型に関連するいじめがあり、これが学習意欲を低下させたり、授業を休むことが増え、結果的に成績に影響したりすることがあると分かりました。一方で、男の子ではいじめの影響は見られないにもかかわらず、算数・数学の成績は、標準体重以下の子どもたちや、太り気味の子どもたちと比べて奮わなかったそうです。
これまでの調査では、両親の教育レベルが低い場合に、子どもたちが体重、体型に関する問題を抱えやすいことが指摘されており、両親や保護者が、体重管理の大切さを理解することが課題だとされてきました。しかし、子どもたちの学習能力と体型を関連づけた研究は、現状では稀であり、今回の調査でも肥満と算数・数学に関する学習能力の原因と結果の解明にはたどり着きませんでした。
この報告では、肥満が身体的な意味での健康だけでなく、心理的にも社会的にも好ましくない影響を与える可能性を指摘した調査として注目されており、これからも肥満と子どもたちの心や身体の健康に関する調査が大切だということを、多くの人が再認識することとなりました。子どもの体重管理について、きちんと理解して、健康管理に役立てたいものですね。(唐土 ミツル)
▼外部リンク
Obesity influences school success
http://www.wzb.eu/en/press-release/obesity-influences-school-success