欧州では5月に発売済み、順次販売地域の拡大目指す
テルモ株式会社は9月18日、薬剤溶出型冠動脈ステント(DES:Drug Eluting Stent)「Ultimaster Tansei」(アルチマスタータンセイ)の日本での発売を発表した。欧州ではすでに2018年5月に発売しており、今後も順次販売地域を拡大していく予定だ。
画像はリリースより
ステントは、心臓の周りの細い血管(冠動脈)が狭窄したり、閉塞したりすることによって起きる狭心症、心筋梗塞などの治療に使用する埋め込み型の医療機器。バルーンカテーテルで冠動脈を拡張した後、血管内にステントを留置するが、留置後に再び狭窄を起こすことがあるため、DESが多く使用される。DESは、留置後にステントに塗布した薬剤が徐々に周囲の組織に放出され、再狭窄の原因となる細胞増殖を抑制することが期待されている。
従来品の先端とシャフトを改良
Ultimaster Tanseiは、日本では2015年に発売したDES「Ultimaster」の改良品。従来のUltimasterは、血管内の通過性を向上させ、曲がった血管にも沿って留置しやすいように、ステントの素材としてコバルト合金を採用し、ステントデザインも工夫している。また、ステント血栓症の発生率低減を目指して、コーティングの材料として生分解性ポリマーを採用するとともに、ポリマーと薬剤を血管組織に接する面にのみ塗布している。
今回発売開始したUltimaster Tanseiは、従来品のステント、薬剤、ポリマー、コーティング方法は継承しつつ、複雑な病変でもスムーズな治療ができるように先端とシャフトを改良。先端は柔軟な素材を使用して耐久性の高い構造に、シャフトは強く押すことができ、かつ折れにくい設計を施したという。同製品の発売、使い勝手と通過性の向上を目指したとしている。
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・テルモ株式会社 プレスリリース