画像診断装置の高性能化に伴い、医師の負担増が課題に
富士フイルム株式会社は9月13日、世界最速の計算処理能力を誇るNVIDIA社の「NVIDIA(R)DGX-2(TM)」をベースとしたディープラーニング用スーパーコンピュータを2018年10月から導入すると発表した。
近年、CTの多列化など医療画像診断装置の高性能化に伴い撮影画像枚数が増加し、医師の負担増が課題となっている。同社は1つの計算タスクを複数の画像処理装置(GPU)に分散して解かせる独自の高速並列計算手法を開発し、高速演算を実現。この高速演算を活用し、膨大な処理時間を要する3次元医療画像の学習時間を大幅に短縮させ、さらに大容量の3次元学習データを直接学習に利用することで、従来では不可能であった微小で淡い病変の検出や、疾患の状態の高精度な定量化を実現する画像診断支援のAI技術の開発を推進している。
計算処理能力が世界最速を誇るNVIDIA DGX-2
今回、富士フイルムはヘルスケア事業や高機能材料事業など、さまざまな事業分野に活用するAI技術の開発スピードを加速するため、NVIDIA DGX-2を導入する。NVIDIA DGX-2は、1台あたりの計算処理能力が1秒間に2000兆回と世界最速を誇り、深層学習時の計算処理時間を大幅に短縮することができるという。
また、総計512GBものメモリを搭載しており、医療画像や動画といった大容量データの学習も高速に行うことができる。同社独自の高速並列計算手法を適用することで、複数台のNVIDIA DGX-2で構成されるスーパーコンピュータのスペックをより有効に活用することが可能となり、短時間で精度の高いAI技術の開発が実現できるという。
今後、同社は、幅広い分野において活用できるAI技術の開発をより強力に推進し、社会課題を解決する革新的な製品・ソリューションを提供していくとしている。
▼関連リンク
・富士フイルム株式会社 ニュースリリース