薬ゼミの自己採点システムには、2日時点で1万0591人の受験者が入力し、解析を行った。平均点は234.6点で、101回に比べ、やや難しかった102回を上回る難易度になるとした。全受験者の60%以上が正答した問題数を見ると、102回の240問(69.6%)に対し、228問(66.1%)に減少しており、70%以上の正答率の問題数で見ても、少なくなっている模様。得点分布では、102回は240~250点が最も多い人数比だったが、103回は230~240点の分布が多く、高得点者が少なくなっていた。
必須問題の平均得点率は、81.5%と102回の85.1%に比べ低下した。ただ、全体的に「平易~やや平易」の問題が多く、解きやすかったと見られ、足切りにかかる学生は少なそうだ。
理論問題も前回よりやや難易度が高い問題だった。総合平均得点率は58.2%と0.9ポイントほど低下した。物理と生物の科目をまたいだ連問が出題され、与えられた情報を正確に理解する力が必要とされ、実験考察問題や計算問題、グラフや図を用いた問題も多く出題された。特に「物理・科学・生物」の正答率は43%台と低く、「薬剤」と「病態・薬物治療」も56%台と苦戦したようだ。
実践問題は前回の69.1%から66.6%に落ち込み、やや難しい問題であった。中でも、生物と衛生を実務でつなげた4連問の出題も行われた。図・グラフ・表などを読み解くための「考える力」を必要とする問題が、物理・化学・生物での基礎や衛生で多く見られたほか、臨床現場における患者の実例などをもとに症例や処方、その状況を読み解くための「考える力」や「問題解決能力」を必要とする問題が出題された。各領域において医療現場で話題性が高い内容が出題され、実務実習の成果を国試につなげた学修が求められた。
科目別では、「物理」が前回より低かったが、「物理・化学・生物」の合計では正答率60%を下回るも、前回よりは高い結果となった。「衛生」は70%台、「法規・制度・倫理」は80%台と好成績だった。一方、「薬理」「薬剤」「病態・薬物治療」「実務」は6~8ポイント低下した。
なお、第103回試験では、106回から適応される「出題基準」や「改訂コアカリ」を意識した科目の壁を超えた連問なども出題された。木暮喜久子学長は、「例年以上に実際の症例に基づいた問題が多く、薬剤師として患者への適切な対応や臨床的見地からの判断を問う内容が出題されていた。特に『考える力』『問題解決能力』『医療現場での実践力』を必要とする問題が多かった」と分析している。
なお、合格発表は27日に行われる予定。