人工知能(AI)の普及で創薬研究と知的財産のあり方はどう変わるのか――。日本製薬工業協会とバイオインダストリー協会が13日に都内で開催した「ライフサイエンス知財フォーラム」では、将来的に創薬研究の相当部分でAIが用いられ、新薬の基礎研究はAIと研究者の共同作業になるとの見方が示された。知財戦略についても、これまでの物質特許の保護期間に立脚したモデルではなく、経営戦略を理解したより高度な業務にシフトし、製品ごとに独自戦略が必要になるとの意見が出た。
製薬協知的財産委員会の森平浩一郎委員長は、創薬研究におけるAIの普及について、「10年後にはかなりの部分でAIが使われるのではないか」と予想。「標的分子の探索、候補化合物の取得といった物質特許が生まれてくる基礎研究のステージで活用されるのではないか」との見方を示した。