ピボタル第3相試験「SPIRIT-P2試験」の結果から
米イーライリリー・アンド・カンパニーは6月15日、1種類または2種類のTNF阻害剤に対して、効果不十分または忍容性がない活動性関節症性乾癬(PsA)患者を対象に「トルツ(R)」(一般名:イキセキズマブ)を投与すると、プラセボを投与した場合と比較して24週時点の疾患の徴候および症状が有意に改善すると発表した。ピボタル第3相試験「SPIRIT-P2試験」の結果の詳細は、欧州リウマチ学会(EULAR)2017で口頭発表され、「Lancet」2017年5月号に掲載されている。
同試験では、トルツ(初回160mgを皮下投与し、2回目以降は1回80mgを2週間隔または4週間隔で皮下投与)を24週間投与した後の安全性および有効性をプラセボと比較して評価。患者の参加条件は、6か月以上にわたって活動性PsAと診断され、圧痛関節数および腫脹関節数がそれぞれ3つ以上であることとした。主要評価項目は、総合的疾患活動性指標の20%以上改善を達成した患者の割合(ACR20)。副次的評価項目として、ACR50およびACR70(疾患活動性がそれぞれ50%および70%改善)、HAQ-DIに基づいた身体機能の改善度、およびPASIに基づいた皮膚病変の改善度を評価した。
ACR20改善率、4週間隔で53%、2週間隔では48%
試験の結果、トルツ投与患者(いずれの投与レジメンも含まれる)では、プラセボ投与患者と比較して24週時点のPsAの疾患活動性の有意な改善が認められた。ACR20改善率は、トルツを4週間隔で投与された患者で53%、2週間隔で投与された患者で48%、プラセボ投与患者で19%(p<0.0001)。ACR50改善率は、トルツを4週間隔で投与された患者で35%、2週間隔で投与された患者で33%、プラセボ投与患者で5%(p<0.0001)だった。ACR70改善率は、トルツを4週間隔で投与された患者で22%、2週間隔で投与された患者で12%、プラセボ投与患者で0%(p<0.0001)だったという。
その他、重要な副次的評価項目(HAQ-DIで評価した身体機能、および体表面積に対する皮膚病変の面積の割合が 3%以上の患者を対象にPASI75、PASI90、およびPASI100で評価した皮膚病変)に関しても、プラセボ投与患者と比較して、トルツ投与患者(いずれの投与レジメンも含まれる)で12週時点と24週時点での有意な改善が認められたという。
イーライリリーは、米国食品医薬品局(FDA)に、活動性PsAを有する成人患者の治療薬としてのトルツの生物学的製剤追加承認申請(sBLA)を行っている。トルツは、日本国内において、既存治療で効果不十分な関節症性乾癬に対して承認済み。年内には、各国の規制当局にも申請する予定。
▼関連リンク
・日本イーライリリー株式会社 プレスリリース