IL-12およびIL-23を標的とするステラーラ
ヤンセンファーマ株式会社は3月30日、中等症から重症の活動期クローン病の導入療法の治療薬として、ヒト型抗ヒトIL-12/23p40モノクローナル抗体製剤「ステラーラ(R)点滴静注130mg」(一般名:ウステキヌマブ)の製造販売承認を取得。また、同疾病の維持療法の治療薬として既承認品目である「ステラーラ(R)皮下注45mgシリンジ」に適応追加の承認を取得したと発表した。
「ステラーラ」は、炎症反応および免疫に深くかかわるインターロイキン(IL)-12およびIL-23を標的としており、既存の抗TNFα製剤とは異なる作用機序を有する。導入療法では、同剤を体重換算に基づく用量で1回の静脈内投与を行い、維持療法では、同剤90mgを通常12週間ごとに、効果減弱時には8週間ごとに皮下注射で投与する。
今回の承認は、日本も参加した国際共同第3相試験UNITI-1試験およびUNITI-2試験の結果に基づくもの。抗TNFα製剤治療で効果不十分または忍容性がない患者を対象としたUNITI-1試験では、活動期クローン病患者の34%が、既存治療で効果不十分または忍容性がない、大半が抗TNFα製剤未治療の患者を対象としたUNITI-2試験では56%の患者が、点滴静注1回の導入療法で、6週間後に症状が改善。さらに、維持療法としてステラーラを皮下注射で8週ごとまたは12週ごとに継続投与をした患者の多くが、44週(導入療法開始から52週)まで寛解を維持したという。
シンポニー、炎症性腸疾患治療の新たな選択肢に
同社は今回同時に、ヒト型抗ヒトTNFαモノクローナル抗体製剤「シンポニー(R)皮下注50 mgシリンジ」(一般名:ゴリムマブ)において、中等症から重症の潰瘍性大腸炎の改善および維持療法に関する適応追加の承認を取得。また、「シンポニー(R)皮下注100 mgシリンジ」についても剤形追加の承認を取得したという。
「シンポニー」は、中等症から重症の活動性の潰瘍性大腸炎治療薬。初回投与時200mgおよび初回投与後2週時に100mgを投与した後、維持期において4週間に1回、皮下投与する。今回の承認は、日本も参加した第3相国際共同治験(PURSUIT-SC試験、PURSUIT-M試験)および国内臨床試験(PURSUIT-J試験)の結果に基づいたもので、臨床症状の改善およびその維持が認められている。
同社は、今回追加承認を取得した「ステラーラ」と「シンポニー」を、未だ満たされない医療ニーズに応える新たな治療選択肢として、自己免疫疾患にさらなる貢献をしていきたいと述べている。
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・ヤンセンファーマ株式会社 プレスリリース