創薬標的探索、初期創薬、トランスレーショナルの研究推進
国立がん研究センターと小野薬品工業株式会社は9月16日、両者が有する研究能力を生かし、優れた抗がん剤創出およびがん免疫療法などにおけるバイオマーカー探索を目指した共同研究を推進するための包括的研究提携契約を締結したと発表した。
同契約は、国がんの有するがん研究技術および臨床経験と、小野薬品の有する研究能力と創薬技術を融合することで、革新的な医薬品と適切な治療方法を届けることを目的としたもの。
国がんは、保有する研究成果のうち小野薬品の研究開発に合致するものを小野薬品に提示し、両者協議のもと、創薬標的探索研究、初期創薬研究、トランスレーショナル研究を共同で進めていくとしている。
がんの免疫応答や免疫療法の耐性に関わる因子の同定目指す
創薬標的探索研究では創薬標的の探索、同定を行い、初期創薬研究では創薬標的の評価およびスクリーニングにより創薬候補となる活性物質(低分子化合物または抗体)の取得を目指す。トランスレーショナル研究では、小野薬品が有するがん免疫療法薬などにおけるバイオマーカー探索、がん治療薬または診断薬の開発につながる研究を行う。
さらに、国がんと小野薬品は、がん患者における全身および腫瘍局所の免疫状態の解析に加え、がん種横断的に腫瘍の遺伝子変異・発現や、腫瘍および免疫細胞の代謝状態などについても網羅的に解析する大規模な共同研究を開始した。
今回の共同研究では、がん免疫療法の治療効果または副作用の予測などに関連するバイオマーカーを発見することにより、治療成績の向上や適性使用の推進につながる情報の取得を目指すとともに、がんの免疫応答や免疫療法の耐性に関わる因子を同定することで革新的な新規がん免疫療法の開発を目指すとしている。
▼関連リンク
・国立がん研究センター プレスリリース