医療従事者の為の最新医療ニュースや様々な情報・ツールを提供する医療総合サイト

QLifePro > 医療ニュース > 医薬品・医療機器 > レンビマとエベロリムスの併用療法、共同販促契約を締結-米エーザイ子会社とノバルティス社

レンビマとエベロリムスの併用療法、共同販促契約を締結-米エーザイ子会社とノバルティス社

読了時間:約 1分54秒
このエントリーをはてなブックマークに追加
2016年06月07日 PM02:30

PFSを有意に延長した唯一の療法とされるレンビマとエベロリムスの併用療法

エーザイ株式会社は6月3日、同社米子会社のエーザイ・インクとスイス・Novartis AGの米子会社であるNovartis Pharmaceuticals Corporation(ノバルティス社)が、進行性腎細胞がんに対する抗がん剤「レンビマ(R)」(一般名:レンバチニブメシル酸塩)と「」(商品名:(R)錠)の併用療法にについて、米国内での共同販促ならびにメディカル・アフェアーズ活動における連携に関する契約を締結したことを発表した。

米国における腎がんの罹患者数は、約5万8,000人と推定されており、腎細胞がんは腎臓におけるがんの90%以上を占める。レンビマは「血管新生阻害薬の前治療歴を有する進行性腎細胞がんに対するエベロリムスとの併用療法」の適応で、2016年5月13日に米国食品医薬品局()より適応追加の承認を取得。同療法は、根治切除不能または転移性腎細胞がんの二次治療の標準療法と比較して、無増悪生存期間()を有意に延長した唯一の併用療法とされている。

各製品の売上は、それぞれの会社に計上

レンビマは、血管内皮増殖因子受容体(VEGFR)のVEGFR1、VEGFR2、VEGFR3や線維芽細胞増殖因子受容体(FGFR)のFGFR1、FGFR2、FGFR3、FGFR4に加え、血小板由来増殖因子受容体(PDGFR)のPDGFRα、KIT、RETなどの腫瘍血管新生あるいは腫瘍悪性化に関与する受容体型チロシンキナーゼ(RTK)に対する選択的阻害活性を有する経口投与可能な、新規結合型チロシンキナーゼ阻害剤。甲状腺がんに係る適応で、米国、日本、欧州、韓国、カナダなど40か国以上で承認を取得している。また、欧州では2016年1月に進行または転移性腎細胞がんに係る適応で申請を行っており、日本の当局とも申請に向けての協議を行う予定としている。

エベロリムスは、米国や欧州を含む112か国で、膵原発の局所進行、転移性または切除不能の進行性非機能性神経内分泌腫瘍(NET)に係る適応で承認。また、米国や欧州を含む120か国以上で、血管内皮増殖因子(VEGF)標的治療薬による治療中または治療後(米国では、スニチニブおよびソラフェニブによる治療後)に疾患が進行した転移性腎細胞がん治療薬として承認。加えて、110か国以上でホルモン受容体(HR)陽性/HER2陰性の進行性乳がんにも、内分泌療法を受けた後のエキセメスタン(exemestane)との併用療法として承認を取得している。さらに、アフィニトールまたは「Votubia(R)」、「サーティカン(R)」、「Zortress(R)」の製品名で、がん領域以外の治療薬としても承認されている。

今後、同契約に基づき、・インクとノバルティス社の営業担当者は、米国の医療従事者に対して、レンビマとエベロリムスの併用療法の利用を推進するとともに、両社でメディカル・アフェアーズ活動を展開。各製品の売上は、それぞれの会社に計上するとしている。(横山香織)

このエントリーをはてなブックマークに追加
 

同じカテゴリーの記事 医薬品・医療機器

  • 2025年1月より社長交代で新たな体制へ‐アレクシオンファーマ
  • ミリキズマブの炎症性腸疾患に対する長期持続的有効・安全性データを公開-リリー
  • 転移性尿路上皮がん、一次治療における新たな選択肢への期待
  • 心臓ロボット手術用の部位を見やすく展開するプレートを開発-大阪公立大
  • 新たにオンコロジー領域に注力し「2031年までに年平均成長率8%を目指す」‐GSK