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抗PD-L1抗体「atezolizumab」、2つ目のBLA受理と優先審査に指定-ロシュ社

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2016年04月15日 PM04:45

病勢進行を認めた局所進行または転移性NSCLC患者への投与で

スイス・ロシュ社は4月11日、FDAで承認された診断薬によりPD-L1の発現を確認し、プラチナ製剤を含む化学療法施行中または施行後に病勢進行を認めた局所進行、または転移性非小細胞肺がん(NSCLC)患者への抗PD-L1抗体「」の投与について、FDAが生物学的製剤承認申請(BLA)を受理するとともに優先審査に指定したことを発表したと発表した。

肺がんは世界中でがんによる死亡原因の第1位となっており、毎年159万人が死亡している。肺がんは主にNSCLCと小細胞肺がんの2つのタイプに分けることができるが、NSCLCの患者数が最も多く、全ての肺がんの85%を占める。

atezolizumabは、PD-L1と呼ばれるタンパク質に結合するように設計されモノクローナル抗体。腫瘍細胞または腫瘍浸潤免疫細胞上に発現しているPD-L1に直接結合するように設計されており、PD-L1とPD-1およびB7.1レセプターの結合を阻害する。同剤はPD-L1の阻害によってT細胞を活性化させるが、正常細胞にも作用する可能性がある。

コンパニオン診断薬の製造販売前申請もFDAで審査中

同剤は、2015年2月に標準治療(白金製剤ベースの化学療法、EGFR遺伝子変異陽性またはALK陽性肺がんに対しては適切な分子標的療法)を施行中または施行後に病勢が進行したPD-L1陽性NSCLC患者の治療について、FDAから画期的治療薬(breakthrough therapy)に指定されている。

また、2016年3月には、白金製剤ベースの化学療法施行中または施行後に病勢進行を認めた(転移例)、または白金製剤ベースの化学療法による術前または術後補助化学療法を行い12か月以内に病勢進行を認めた局所進行または転移性尿路上皮がん患者への同剤投与について、FDAがBLAを受理するとともに優先審査に指定。同剤は今回で2つ目のBLA受理と優先審査指定となる。

同剤のBLA提出は、第2相臨床試験であるBIRCH試験を含む臨床試験成績に基づいており、FDAは2016年10月19日までに承認の判断を行う予定。また、コンパニオン診断薬としてRoche Tissue Diagnosticsが開発した免疫組織化学(IHC)診断薬の製造販売前申請(PMA)もFDAで審査中だ。

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