消化器系疾患に有用な治療薬創出が狙い
武田薬品工業株式会社は1月6日、Enterome Bioscience SA(本社:フランス、Enterome社)と潰瘍性大腸炎などの炎症性腸疾患や過敏性腸症候群などの腸管運動障害をはじめとした消化器系疾患において重要な役割を担うと考えられる腸内細菌を標的とした新たな治療薬創出に関する共同研究開発契約を締結したと発表した。
Enterome社は、French National Institute for Agricultural Research(INRA)のメタゲノミクス技術により創出された発見を発展させるために2012年にフランスのパリで設立された。消化器系疾患、がん、代謝性疾患など腸内細菌関連疾患における個別化治療に有用な新たな治療薬および診断薬に関する最先端の研究を行い、腸内細菌の量的・機能的分析における新たな基準の開発をリードしている。
新薬候補物質の独占的権利獲得、製品化まで責任有する
今回の同契約締結により、Enterome社は、両社が選択した消化器系疾患をターゲットとした腸内細菌由来の新薬候補物質(低分子医薬あるいは生物学的製剤)の探索にあたり、Enterome社の有するメタゲノミクス技術を使用する。武田薬品は、新薬候補物質について、全世界での独占的権利を獲得するオプション権を有し、臨床開発、申請、製品化について責任を有することになる。
Enterome社は、契約一時金および3年間の研究開発費を受領するとともに、武田薬品が共同研究開発で創出された各化合物に対するオプション権を行使した場合、臨床開発、申請、製品化に関するマイルストン、売上に応じたロイヤリティを受領するという。その他、契約の詳細については開示されていない。
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・武田薬品工業株式会社 プレスリリース