第24回欧州皮膚科学・性病学会議で発表
スイスのノバルティス社は10月10日、「コセンティクス(R)」(一般名:セクキヌマブ)が、中等症から重症の局面型乾癬の患者に対して、3年間にわたって皮膚症状の高い寛解率と持続的な効果を示し、良好な安全性プロファイルを確認したという最新データを発表した。この第3相臨床試験の結果は、デンマーク・コペンハーゲンで開催された第24回欧州皮膚科学・性病学会議(EADV:European Academy of Dermatology and Venereology)で発表された。
同剤は、中等症から重症の局面型乾癬の成人患者に対する治療薬として承認された、初の完全ヒト型インターロイキン-17A(IL-17A)阻害薬。乾癬に罹患した皮膚で高濃度に認められる蛋白質であるIL-17Aの作用を阻害することで、効果を発揮すると言われている。
2015年1月に欧州と米国で初めて承認されており、スイス、オーストラリア、カナダ、その他多数の国でも中等症から重症の局面型乾癬に対する治療薬として承認を得ている。日本では既存療法で効果不十分の尋常性乾癬と関節症性乾癬(PsA)に対する治療薬として承認されている。これまでの臨床試験で、複数の適応症の9,600例以上の患者に投与され、製造販売後調査では9,000例を超える患者に投与されたという。
患者の83%が、3年後にも標準的な治療目標を達成
今回の継続試験では、320例の患者に対して、同剤を固定用法・用量で3年間投与した。その結果、1年目には69%の患者で皮膚症状の「寛解」または「ほぼ寛解」(PASI 90)が達成されたという。この効果は3年後にも非常に高く維持され、64%の患者がPASI 90を達成している。さらに43%の患者では、3年後にも皮膚症状の寛解(PASI 100)が認められた(1年目は44%)。標準的な治療目標であるPASI 75という皮膚症状の改善は、3年後、83%の患者で達成されたという。いずれも未知の副作用は認めず、良好な安全性プロファイルを確認している。
ノバルティス ファーマのグローバル開発部門責任者であるヴァサント・ナラシンハン氏は今回の治験結果を受け、「患者さんは、長期的に皮膚症状の寛解が維持できる治療法を望んでいます。今日まで実施されている中で最長の『コセンティクス』第3相臨床試験からこのような新しいデータが得られ、皮膚症状の「寛解」または「ほぼ寛解」を3年間維持できることを報告できて、私たちも嬉しく思います」と述べている。
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・ノバルティス ファーマ株式会社 プレスリリース