厚生労働省は17日、年内に策定する「がん対策加速化プラン」の骨子案を、がん対策推進協議会に示した。癌の予防・早期発見、癌の治療・研究、癌との共生の三つを施策の柱とし、論点に位置づけられた癌教育やたばこ対策などの論点を議論した。委員からは、「施策を絞って行動目標を明確化した方がいいのではないか」「スピードアップさせる必要がある施策だけを議論すべき」との意見が出た。
骨子案では、予防・早期発見に向けた癌教育・普及啓発、たばこ対策から希少癌・難治性癌の対策、ゲノム医療の推進、さらに患者の就労支援まで11項目が幅広く盛り込まれた。
癌の予防・早期発見の論点として、癌検診の位置づけや2017年度から始まる癌教育の全国展開に向けた課題、たばこ対策の考え方を例示した。
癌の治療・研究では、拠点病院を中心とした癌医療の質向上や患者・家族のニーズに応じた苦痛の軽減、癌との共生等に資する研究を一層充実させていくこと、癌領域におけるゲノム医療の推進などを論点に提示した。
さらに、癌との共生に関しては、緩和ケアの推進や副作用や合併症軽減のための研究、癌患者の就労に関する相談支援などのあり方を挙げた。
ただ、骨子案が示された加速化プランの位置づけについて、堀田知光委員(国立がん研究センター理事長)は「ある程度、施策を絞ってやらないといけないのではないか。行動目標をはっきりさせ、特に何をすべきか明確化する必要がある」との考えを述べた。また、門田守人会長(がん研究会理事)も「加速化プランは基本計画と分けて考えないといけない」との意向を示し、「スピードアップしなければならない施策に絞って議論すべきだと考える。基本計画を側面から後押しするものにしたい」と述べた。