2つの肺高血圧症に対して承認された唯一の薬剤
バイエル薬品株式会社は2月20日、「アデムパス(R)錠」(一般名:リオシグアト)について、肺動脈性肺高血圧症(PAH)の治療薬として効能追加承認を取得したと発表した。アデムパス錠は、日本において、慢性血栓塞栓性肺高血圧症(CTEPH)とPAHに対する2つの肺高血圧症(PH)に対して最初に承認された唯一の薬剤となる。
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リオシグアトは可溶性グアニル酸シクラーゼ(sGC)刺激剤と呼ばれる新しいクラスの薬剤。PHにおける重要な分子メカニズムをターゲットとした経口治療薬としてバイエルが発見・開発した同剤は、さまざまな種類のPHに対する新規の治療薬として検討されている。
sGCは心肺系にみられる酵素で、一酸化窒素(NO)の受容体。NOがsGCと結合すると、この酵素が血管拡張、増殖、線維化、炎症を調整する重要な役割を担う環状グアノシン一リン酸(cGMP)の合成を促す。
国循・中西氏「PAHへの適応拡大は医師が待ち望んでいたもの」
PAHに対する日本国内でのアデムパス錠の効能追加は、無作為化、二重盲検、プラセボ対照、国際共同、第3相試験であるPATENT-1試験の結果、及び非盲検下で行われたPATENT-2試験の長期的データの結果に基づいて承認された。
両試験では、PAH治療に対する経口薬アデムパス錠の有効性及び安全性を評価。PATENT-1試験の結果は「New England Journal of Medicine」誌2013年7月号に掲載された。長期継続試験であるPATENT-2試験では、PATENT-1試験で有意に改善していた運動耐容能が2年間の観察期間中にさらに改善し、安全性プロファイルも良好であることが確認されている。
国立循環器病研究センター研究所・肺高血圧先端医療学研究部の中西宣文部長はプレスリリースで、
と述べている。
▼外部リンク
・バイエル薬品株式会社 プレスリリース